山口宇部市・長生炭鉱 追悼碑建立予定地で追悼式 |
遺族、支援者ら100人が列席
山口県宇部市床波にあった海底炭鉱の長生炭鉱水没事故68周年追悼式が1月31日に行われ、遺族や同胞、日本人ら約100人が参加した。昨年4月に「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」(以下、「刻む会」)が念願の追悼碑建立予定地を入手し、そこで初めて追悼式が行われた。 式では宇部・久保田后子市長からメッセージが紹介された。また土地取得の経過報告に続き、日本人としての謝罪を込めた碑文を朗読。その後、金亨洙遺族会代表があいさつをし、楊副会長が弔辞を読んだ。 追悼歌アリランを参加者一同で歌い、遺族による祭祀のあと、海岸で献花を行った。事故当時小学5年だった犠牲者の息子、全錫虎さんが海に向かって「アボジー! アボジー! アボジたちをずっと冷たい海に残したままですみません。アボジたちの無念さが、今、すごくわかります」と何度も何度も叫んでいたのが印象的だった。 ■追悼碑建立委員会の立ち上げ 今後、「刻む会」は3月末までに建立委員会を立ち上げ、朝鮮人犠牲者137人を含む183人全員の名前や日本人としての謝罪を刻んだ碑を建立する計画で、土地取得費を含めおよそ2千万円を目標に募金を募る方針である。 今年は日本の朝鮮植民地支配から100年にあたり、今なお根強く残る在日朝鮮人の人権侵害問題の解決に向け、「過去の歴史的事実」を知り、現在の人権状況をそれぞれの地域で追究し、また、国際的な人権擁護の趨勢からも捉え直す機会にしなければならない。 とりわけ、強制連行犠牲者の遺骨問題は未清算の朝鮮植民地支配の責任を考えていくうえで、最も典型的な問題であり、日本政府が誠意を持って対応すべき喫緊の課題である。もちろん、長生炭鉱水没事故犠牲者の遺骨問題も例外ではない。(内岡貞雄、「在日朝鮮人歴史・人権週間」山口集会実行委員会代表) [朝鮮新報 2010.2.26] |