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世界は広い? 狭い?

 先日、ある会合で初対面の日本人と話していると、意外なつながりから共通の友人がいることがわかった。思わず互いに「奇遇ですね」という言葉が口をついて出てきた。

 他者との偶然のつながりを知って驚いた経験は誰しもあるはずだ。旅行先で出会った人が友人の友人だった、仕事の取引相手が知人の親族だった−など。こうした偶然に触れた時、「世界は狭い」と実感するのだろう。

 人は知人を6人介すると、世界中の人びとと間接的な知り合いになれるという。つまり、「私の知り合いの、知り合いの、知り合いの…」というふうに6人の連鎖を介せば、どんな人にもたどり着ける。

 「スモールワールド」現象。「6次の隔たり」というフレーズで有名なこの説は米国の心理学者スタンレー・ミルグラムの実験が基になっている。

 一見、無関係に見えるものも、何かを介してつながっていると思うと不思議な気持ちになる。知人の重複がないと仮定して、理論的には43人の6乗が64億人(現在の世界人口)だ。在日同胞社会だとこれよりはるかに少ない数で済む。

 「6次の隔たり」という概念はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の下地にもなっている。インターネットなどの発達で「6次」という数字はさらに低いものになっているはずだ。

 世界は(広いようで)狭い。世界中に散らばるコリアンコミュニティもさまざまな形でつながっている。そして、在日同胞社会はもっと狭い。(相)

[朝鮮新報 2010.2.1]