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時は廻る

 同級生の新築祝いへ向おうと、友だち数人で待ち合わせた駅構内。改札口から手を振りニコニコやって来る一人の女性。みんな一瞬息を呑み、そしていっせいにワッハッと笑い出した。「だってあまりにも似ていて…そっくりじゃない!」

 30年前のオモニ(お母さん)そっくりに変身したチング(友人)。笑われて少しふくれたが、愛情こもったその言葉に、すぐ笑顔を取り戻す。

 よく「娘は母親に似る」と言うけれど、集まったチングは皆、オモニの面影をそれぞれ背負っていた。時を下り、まるで学生時代に戻ったかのような、何とも言えない不思議な光景だ。そう、子どものころ遠巻きに見ていた、オモニたちの井戸端会議を彷彿させる。

 その昔、オモニたちは時折ハッキョに集合し、忙しそうに働いていた。キムチ漬けやバザーの支度、おまけの会合(?)それは愛校事業に貢献するオモニたちの姿であったが、うつろに思い出すのは、幼い私を飽き飽きさせた長い長い井戸端会議。わが子の通うハッキョ(学校)の壁一面には歴代の卒業写真が飾られている。階段を伝い上階へと連なる写真の中には、神妙な顔つきの12歳の私がいる。そして私のずっと先の方には、わが娘たちも、同じ制服姿で並んでいる。

 時は廻る。オモニたちがくれた愛情いっぱいの井戸端会議。私は今、オモニとして母校に尽くす。何の苦労も迷いもない。子どもを育てる母親としての役目であるから。いつか井戸端会議の真の意味を継いでくれるであろう娘たちを想像しながら、来たるバザーの準備のため今日もハッキョへ向う。(梁清美、主婦)

[朝鮮新報 2009.10.30]