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ネット社会の表と裏

 最近、月に1度「インターネット会議」なるものを始めた。参加者は福岡県や埼玉県在住者をはじめ日本各地。この「ネット会議」はパソコンとネット環境さえあれば世界中どこでも可能だから、本当に便利だ。物理的な距離を飛び越えた交流も可能になった。疎遠になっていた友人もコミュニティサイトで再会し近況を報告しあえるし、母国に帰った留学生とも連絡を取り合える。

 しかし、ネットというのは同時に怖いものだ。ネット上の朝鮮人や「障がい者」たちへの差別発言や史実・事実のわい曲は本当にひどいもので、「チョン」「死ね」などの書き込みを見るたびに心を痛めていたが、今回の事件には驚いた。

 先日ある小学校に呼ばれ、北南統一や朝・日友好への思いを込めながら、朝鮮の文化などを教えた。その授業が新聞で取り上げられたのだが、ネットを介してその記事がいわゆる「ネット右翼」を中心にすごい勢いで広がっていたのだ。3年前に自分の名前を検索してもせいぜい20件ほどだった。しかし、今回の事件を聞いて久しぶりに検索してみるとなんと231件。これには驚いた。

 顔も名前も知らない人が私の名前を知っていて、心ない言葉で傷つけ、普通に暮らしている。彼らは現実に生きている私や「誰か」に一方的に言葉の暴力を浴びせていることを自覚しているのか。

 ネットはとても便利だが、相手の見えないことによる弊害も多々ある。こういう時代だからこそ、顔の見えるつきあいを大事にし、その関係を基盤にして、ネット上での交流もうまく活用していきたい。(徐麻弥、団体職員)

[朝鮮新報 2009.10.2]