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夏の風物詩

 夏も終わりに差しかかってきた。夏といえば花火や海だが、私の夏の風物詩は日校生のためのサマースクール(サマス)と日大生のためのサマーセミナー「マダン(場の意)」である。

 高校で初めてサマスに参加した私は、親せき以外の同胞と出会う経験がほとんどなく、100人以上の参加者を見たとき、「本当にこんなに在日朝鮮人がいるんだ」ととても驚き、感動した。その時サマスで同じ班になったオンニ(お姉さん)とは大学時代も一緒に活動し、生涯の友人となった。

 それから10年。今年は8歳年下の妹が参加した。行く前は気乗り薄だったが、帰ってくると「楽しかった!」と、明るい表情。今も班の仲間とメールをやりとりし、連絡を取り合っている。

 そして、姉の私は「マダン」にスタッフとして参加。雨のため体育館で行った文化公演は、心配をよそに激しく盛り上がり、2階建ての体育館の床が抜けるんじゃないかと思うほどであった。

 3世、4世にもなると、1世たちのように日常で民族文化に触れる機会は少なく、自然とオッケチュム(肩をゆらす踊り)が身についている人はそういないだろう。それでも自分の思うように、朝鮮人たる自己を解き放ち、民謡やチャンダン(朝鮮独特のリズム)に合わせて思い思いに表現する学生たちの姿に感動しながら、私も倒れそうな照明器具を必死に押さえつつ、民族の調べに酔いしれた。

 こうして開放感たっぷりの暑い熱い私たち姉妹の夏の2大イベントが終わった。もうすぐ秋。今年は「食欲」以外をテーマに迎えたい。(徐麻弥、団体職員)

[朝鮮新報 2009.8.28]