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人の話を聞くこと

 人の話を聞くとき、相手を理解したいと思って聞くかどうかで、聞こえてくる言葉が違ってくると思う。たとえ言葉が足りなくても、話すことが不自由でも、互いにわかり合いたいと思う気持ちがあれば通じるし、わかろうとする気持ちが毛頭なければ、いくらとうとうと語っても全く相手に通じない。

 日ごろいろんな人の話を聞くことが多いが、話が上手く進まないことに遭遇することがある。そういった時に常々思うのだが、言葉が足りないことが問題というよりは、相手に対する感情や信頼が本当の問題なのかもしれないと。実は「耳」よりも、「心」を傾ける方が大切なのではないか。

 所詮人間は「気持ち(感情)」のある生き物だとオモニは言う。一番初めにいわれたのは、初級部低学年の頃、毎日のように「誰々トンムが嫌いだ!」と喧嘩をしていたら、「これから9年間、12年間もクラス替えもなく(田舎の学校で生徒数が少ないため)付き合っていかないといけない友だちだから、どうにか『好き』になるようにやってみなさい」と言われた。人は気持ちの持ちようでどうにでもなるものだと。

 ハルモニがよく言うのは、人の悪いところはすぐに目に付くけど良い所はなかなか見えないから意識的に良いところを探しなさいということ。

 一般的に人は「言葉」を通してコミュニケーションするが、まずは心を通わせたいと思うことが大事なのかもしれない。いつでも相手の言葉の真意、「心の声」を聞けるように心がけたい。( 姜潤華、団体職員)

[朝鮮新報 2009.3.6]