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「女性欄の歩み」−応援コマッスムニダ

 10年前、紙面改編のスタートとともに生まれた紙面が「女性欄」であった。祖国解放から半世紀を経ても、わが同胞社会では男性中心の儒教イデオロギーが色濃い。社会通念や人の意識はそう簡単には正されるものではない。

 はるかなゴールは男女平等。しかし、手をこまねいてばかりでは、ことは進まない。意識をかえ、女性たちの思いを言葉にして少しでも理解してもらわなくてはと、みんなで力をあわせて紙面作りをしてきた。

 そんななかでがんばってこれたのは読者の力強い応援があったからだ。「生涯現役」を本にまとめたときには、何人かのハルモニが、本代をポーンとカンパ。ウリハッキョの子どもたちに読ませなさいと、全国の朝高卒業生たちすべてに本を配ってくれた。その後、その卒業生たちから「本を読みましたよ」と何度も声をかけられた。

 悲しいこともたくさんあった。取材した多くのハルモニたちがすでに他界されたことだ。あるハルモニの葬儀に参列したときには、棺の真横に記事が掲げられていた。遺族たちから「記者トンム、コマッスンニダ」との言葉をいただいたが、涙がとまらなかった。ハルモニたちの共通の願いは、統一された祖国の懐で永眠することだったのに…。

 植民地時代を経て解放、分断、そして統一へと向かう時代。しかし、いまなお、耳を澄ませば、女性たちの呻き声が歴史の奥底から聞こえてくる。人は今だけでは生きられない。「今」のためにどれだけの人が汗と血を流したのか。

 これからも艱難辛苦の道を歩まざるをえなかった人たちのことを忘れず、歩を刻んでいきたい。(粉)

[朝鮮新報 2009.12.25]