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「コッソンイ」−宝に触れる喜び

 朝鮮学校に通う児童・生徒を対象に、1978年から毎年行われている「コッソンイ(花房)」作文コンクール(主催=本社)の昨年度の入選作品75編を収録した作品集「コッソンイ第31集」が、このたび学友書房から出版された。

 「コッソンイ」は同胞社会の縮図であり、時代を映す鏡でもある。振り返ってみると、第1集(78年)には平壌学生少年芸術団を迎えた喜び、第3集(80年)には光州の血の叫び、第4・5集(81、82年)には祖国統一大行進、第17集(94年)には朝鮮バッシングの最中に起きたチマ・チョゴリ切り裂き事件、第18集(95年)には「阪神・淡路大震災」の惨状から立ち上がる神戸の同胞たち、第23集(2000年)には歴史的な北南首脳会談の3日間など、その時々の出来事が子どもの視点で生き生きと表現されている。

 そこには猪飼野のハルモニのキムチがあり、通学バスを運転するアボジの誇らしい姿があり、5人姉妹を朝鮮学校の寄宿舎に入れたオモニの思いがあり、祖国の地で高句麗の始祖・朱蒙と対話する朝高生の決意があり、サッカーのW杯で世界4強に進出した南の選手を応援するサッカー少年たちの声援があり、まだ見ぬ新校舎で学ぶ後輩たちに旧校舎に込められた祖父母や父母の真心を伝える少女の姿がある。

 作品集を手に取り、時にはほほ笑み、時には目頭を熱くしながら、子どもたちのまっすぐな視線と豊かな感性に触れる喜びを感じている。

 毎年、本紙の編集と同時に1千編前後の応募作品の審査を進めるのは楽ではないが、「宝に触れる喜び」を胸に、今年も「コッソンイ」事業に取り組んでいきたい。(潤)

[朝鮮新報 2009.5.29]