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決意の卒業式−東北同胞社会を守りたい

 先週、東北初中高の卒業式を取材した。

 日本各地からたくさんの卒業生たちも駆けつけ式に参席した。

 久しぶりに見る朝大時代の先輩、後輩、そして総連の各機関で働く職員たちの姿。あらためて東北朝高出身者たちの母校への愛着の強さを感じた。

 卒業公演で生徒たちは、「食堂のオモニ、一生ウリハッキョの食堂の味を忘れません!」と声をそろえ笑いを誘ったかと思うと、「卒業生の先輩たち、先輩たちの支えのありがたみが良くわかりました。これからは代を継いで、卒業生として、後輩たちのために一役買いたいと思います」と力強く声を合わせ、参加者たちを感動させた。

 彼らには、人生の「モデル」とも言える先輩や大人がたくさんいる。1世から2、3、4世へと受け継がれる同胞社会を守ろうとする強い絆。

 趙顕明くんは、卒業公演で担任の崔志学先生への感謝の気持ちを涙ながらに伝えた。

 「先生は、僕達が問題を起こした時には、どんなに遠くても、どんなに遅くても、車を走らせて駆けつけてくれた。その姿を忘れない。朝大に行って、先生のような人になりたい。そうなれるよう一生懸命学びます!」

 卒業式というだけに、取材前には涙、涙の場面を思い描いていた。しかし、実際には卒業生たちが泣きじゃくる姿はほとんど見られなかった。卒業生14人中10人が朝大へ進学することもあるだろうが、「東北同胞社会と学校を守りたい」との強い決意が、彼らの涙を吹き飛ばしてしまったのかもしれない。新卒生たちと共に、同胞社会の明日を築いていきたい。(潤)

[朝鮮新報 2009.3.6]