ドメスティック・バイオレンス−夫婦げんかでは済まされない |
親しい友人と久しぶりに互いの近況を伝え合いながら、おしゃべりに花が咲いた。ふと、彼女の口から「夫婦げんかはするの?」との問いが。わが家では、記者が一方的に腹を立てることはあっても、夫は黙って聞いている。けんかと言うほどのことはない。 一方、彼女の方は、夫が怒って壁に当たり穴があいた、ビールの缶を投げつけてテレビの画面が割れた、はたまた深夜にパトカーがかけつけたというほどの大騒ぎ。 「それって、DVでは?」と言うと、「そう、れっきとしたDV」と彼女は言う。 DV=ドメスティック・バイオレンス(domestic violence)とは、同居関係にある配偶者から受ける家庭内暴力のことで、殴る・蹴るなどの身体的虐待、日常的に罵る・無視するといった精神的虐待、性的虐待、生活費を入れないなどの経済的暴力、外出を妨害するなどの社会的隔離などがある。 彼女の話によると、別の友人も夫の暴力に悩んでいるとのこと。 家庭という密室の中で繰り返される野蛮な振る舞い。 彼女は、暴力により夫に対する愛情が一気に冷めてしまったと語りながら、長い話し合いの末、夫に「二度と暴力を振るわない」ことを誓わせた。そして、再びその日が来れば、いつでも家を出る覚悟を決めていると言う。 暴力の根底には、男性が常に女性より優位にあらねばならないという誤った考え方がある。同胞社会にも根強く残るこの思想を啓蒙する取り組みが必要だ。(潤) [朝鮮新報 2009.2.20] |