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朝青龍復活V−活力源は故郷の人々の応援

 世の中の風向きが少しずつ変わってきている。といっても、大相撲初場所でみごと復活優勝を遂げた朝青龍のマスコミの反応についてだが。

 つい昨日まではネチネチと、やれ、無断で帰国してサッカーしたとか、礼儀知らずだとか、品格がないとか、罵詈雑言のオンパレードだった。

 いつか銭湯で、おばさんたちが「日本の伝統文化に合わない横綱なんか要らないわよ、首、首」と罵っていたので、同郷でもないのについ熱くなって、「長い間、綱を張ってがんばってきた朝青龍は、大相撲の最大の功労者。そんな言い方は失礼でしょ」と、口をはさんでしまったこともあった。

 朝青龍の絶体絶命のピンチをしのぐど根性。勝利への執念。逆境をはねのけるハングリー精神。昨日まで、悪口を連ねていたスポーツ紙もワイドショーもねじ伏せられた格好である。

 優勝インタビューの最後に朝青龍が母国語で故郷の人々に「いつも応援してくださってありがとう。お蔭で優勝することができました」と胸を張ってあいさつしたのもよかった。

 慣れない異郷暮らしや古いしきたりのなかで、人に言えぬ苦労を重ねながら、角界の頂点に立った横綱。その活力源こそ、故郷の人々の応援であったに違いない。

 外国人の若者に「国技」を支えてもらっている、という感謝の気持ちを持たず、風習や立ち居振る舞いにいたるまで同一の規範を押しつけようとするのは同化、帰化への圧力そのものであろう。

 それに屈せぬたくましい心意気。これからも応援したい。(粉)

[朝鮮新報 2009.2.6]