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春・夏・秋・冬

 各地の朝鮮学校の創立記念行事を相次いで取材する機会があった。40年、50年とその差はあるが、それぞれの地域で子どもや孫たちを立派な朝鮮人に育てたいという同胞たちの思いはどこも一緒だ

▼解放直後、日本によって奪われた民族の言葉と歴史、魂を子どもたちに伝えようと始まった民族教育。「外国人学校閉鎖令」をはじめとする幾多の困難が立ちはだかる中でも、1世たちがすべてを捧げて守ってきた民族教育を、さらに発展させていこうという2世、3世たちの思いをあらためて感じることができた

▼記念行事には卒業生や学父母はもちろん、多くの日本の人々も参加した。「生徒たちの輝く瞳と先生たちの情熱に、今の日本学校にはないものを感じる」と、朝鮮学校で育ってきた人間としては当然のことを、素晴らしいことだと口をそろえる。日本の学校を取材したことはないが、記念公演の舞台に上がる朝鮮学校の生徒たちを見ていると、街中で見かける日本学校の生徒とは違う目の輝きがある

▼「学校を建ててくれたハラボジ、ハルモニ。厳しい環境の中でも朝鮮学校に送ってくれたアボジ、オモニ。本当にありがとう」。「生徒や幼い園児たちのそうした思いが、表情の明るさや瞳の輝きに表れている」というのはひいき目だとしても、民族教育が生徒や幼い園児たちの成長に大きな影響を与えているのは確かだ

▼子どもたちが活躍できる舞台を一つでも多く作ること。生徒たちのつぶらな瞳は、情勢がどうであれ、決して忘れてはならないことだということを思い出させてくれた。(国)

[朝鮮新報 2009.11.4]