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春・夏・秋・冬

 一部の報道によると、米オバマ政権は「宇宙人とカタブツに困惑」しているそうだ。いうまでもなく「宇宙人」とは鳩山首相であり、「カタブツ」は岡田外相のことである。何にオバマ政権は困惑しているのか。「宇宙人」については沖縄の米軍普天間飛行場の移設・移転に関わる一連の定まらぬ発言、「カタブツ」は核の先制不使用論であるという

▼普天間飛行場の移設・移転は米国のアジア軍事戦略の根幹に連なる。「県外・国外」なのか、自公政権時代に合意した名護市沿岸なのか、さじ加減一つで米軍の編成はあらためて根本的な転換を迫られることになる

▼オバマ政権にとっては物分りの良かった前政権に比べると、なるほどやりにくいと思う。米国は戦後、核の傘を提供する代わりに基地の確保・使用、それに関わるばく大な費用の負担を日本側から受けてきた。そのことを保障してきた安保条約はほぼ自動改定されてきただけに、米軍にとってこれほどの安住の地は南朝鮮と並んでなかった

▼普天間の移設・移転問題は、結果的にどうなるのかはわからないが、鳩山政権は少なくともその再検討に着手している。連立政権の合意でもある。その思考転換が米国には脅威なのである

▼岡田外相の核先制不使用論はさらに深刻である(本人はマスコミの恣意的な解釈だと主張しているらしいが)。核の傘は不要と言っているに等しいからだ。その実現は、米日の力関係から見て困難だとは思う。しかし、朝鮮をにらんで戦後この間、何のアプローチもなかった安保問題に一石を投じた。日本は自立するチャンスだ。(彦)

[朝鮮新報 2009.10.30]