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春・夏・秋・冬

 米国のオバマ大統領が「ノーベル平和賞」を受賞した。ノーベル賞委員会は、オバマ大統領が進める国際協調外交と「核なき世界」に向けた姿勢を評価し、「より良き未来に向けて人々に希望を与えた」ことを授賞理由に挙げた

▼米国とオバマ大統領の今後の平和への貢献に期待を込めた授与だが、特別な功績を残したわけではないため疑問の声も多い。過去には期待や理念だけが先行し、実績を挙げられないどころか世界を欺いた受賞者もいた

▼核兵器の製造、保有、持ち込みをしないという「非核3原則」を打ち出し、後に「ノーベル平和賞」を受賞した佐藤栄作首相(当時)は65年、ジョンソン米大統領との会談で「中国が核兵器を保有すれば、日本も核兵器を持つべき」と述べ、69年には国会で「『非核3原則』は政策が変わったり内閣が変われば、いつでも変更できる」と公言した

▼ロシアのいくつかのメディアは、米国が核兵器削減の交渉に積極的に乗り出した理由について、「核に取って代わる抑止力となる防衛システム開発の目処がたったからだ」と指摘した。それは「高精度ハイパーソニック兵器」と呼ばれ、「地球上のあらゆる地点を1時間以内で攻撃できる性能」を目指しており、完成すれば「世界の弾道ミサイルの最高90%は発射される前に破壊される」という

▼核軍縮が新たな軍拡競争につながってはいけない。授賞理由には「対話と交渉を国際紛争の解決手段として優先させた」ことも挙げられている。オバマ大統領には、受賞者として、他国への先制攻撃・侵略をしない意志を示してほしい。(天)

[朝鮮新報 2009.10.13]