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朝鮮人元軍人・軍属44人の遺骨が9日、南朝鮮に奉還された。8日には遺骨が安置されていた東京・祐天寺で追悼式が、9日には南朝鮮の国立墓地「望郷の丘」で安置式が挙行された。08年1月(101体)、同年11月(59体)に続き三度目だ ▼祐天寺の遺骨返還については、これまで日本、南朝鮮両政府に多くの非難が寄せられた。南朝鮮の「日帝強占下強制動員被害真相究明委員会」は、確かな調査と遺族の同意を得た分に限り奉還していると説明する。だが、取材規制、支援者や一般市民の参列制限、個人情報保護を盾にした情報隠ぺいなど、日本政府の強い要望によって「密室の追悼式」が行われたことが疑念を膨らませた ▼「密室の追悼式」は大事な事実を隠している。残された931人分の遺骨のうち431人分は朝鮮半島北部出身者で、遺族が判明している遺骨についても日本政府は返還に応じず、遺族の入国さえ拒否した。遺骨のほとんどは実際の骨ではなく、靖国神社に無断で合祀されているものも少なくない ▼日本政府が05年以降の調査で南朝鮮政府に通知した日本所在の朝鮮人遺骨数は3000人分にも満たない。05年に日本の民間団体が7000人分以上の遺骨情報を集めた事実と照らしても明らかに少ない。犠牲者が埋まったまま放置されていることには見向きもしていない ▼日本政府は軍人・軍属以外の強制連行については、民間企業に責任を押し付けている。祐天寺の遺骨奉還事業をある程度終えてしまって、あとは「知らぬ存ぜぬ」でやり過ごそうという魂胆だ。(天) [朝鮮新報 2009.7.13] |