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サッカー朝鮮代表が2010年W杯南アフリカ大会への出場を決めた。44年ぶりの快挙とあって、取材先でも試合の話題で持ちきりだ。サウジアラビアとの最終戦が最後まで目が離せない接戦だったこともあって、翌日に会った同胞たちは一様に憔悴しているようだった ▼最終戦は日本時間で深夜3時から衛星放送で生中継された。飲食店を営む知人が簡易パブリックビューイングを開いてくれたので有意義に観戦することができた。3時直前、店主が朝鮮国歌を流した。睡魔とたたかう「観客」たちも目を覚まし、応援態勢を整えた。ネットで出場選手を調べ、朝鮮の選手たちを紹介し盛り上げる人もいた ▼在日同胞、南朝鮮の留学生、日本人入り乱れての応援。在日同胞選手たちの姿が画面に映るたびに声援は高まり、そして相手のシュートがゴールを脅かすたびに悲鳴が響いた。長い、長いロスタイム。寿命が縮むとはこういうことなのだろう。試合終了のホイッスルとともに歓声は最高潮に達した ▼なかなか帰ろうとしない「観客」たち、予選突破の美酒に酔いしれ勝因や本大会でのたたかい方について熱く語った。堅い守備で見せた「強固な団結力」を勝因に挙げる人が多かった。本大会では世界の強豪と対戦する。それまでに各国との親善試合で経験を積み、戦術を深めることが必要だと指摘する人もいた。そして、「みんなで積立して南アフリカに行こう」。そんな掛け声で散会となった ▼朝鮮学校を卒業した同胞選手たちがW杯の舞台に立つ。夢は広がる。当分いたるところでサッカー談議が聞けそうだ。(天) [朝鮮新報 2009.6.22] |