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春・夏・秋・冬

 変化をもたらすためには、行動が伴わなければならない。勇断が必要となる。殻の中に閉じこもって、自らを取り巻く状況が変化してくれることを待ち続けるのなら、何十年、何百年待っても変化は訪れないし、ましてや政治家の取る対応ではない

▼オバマ大統領は、変化を掲げ黒人として初の大統領の座を射止めた。しかし就任から4カ月、変化らしき変化は何一つ見えて来ない。時期尚早、ようやく政権人事が固まった段階なのだからもう少し待ってやればという声もあるが、現実社会の歩みは悠長には構えていない

▼4月、プラハでの「核廃絶演説」は、確かに変化をもたらすのではないかとの期待を抱かせた。その一方で今回、李明博大統領との首脳会談で南朝鮮への核の傘の提供を再確認するという矛盾に満ちた大国特有の二枚舌外交に走っている。旧態依然、やはり米国の本質は変わらない

▼この核の傘、米国はどこの核兵器によって保証しているのだろうか。まさか米本土から大陸弾道弾核ミサイルを朝鮮に撃ち込むことは有りえないだろうから、南朝鮮の米軍基地、あるいはグアムの空軍、沖縄の海兵隊、横須賀を母港とする第七艦隊など戦術核兵器ということになる

▼1991年9月、ブッシュ大統領は、空母搭載核兵器の撤去と地上配備戦術核の全廃などを発表。盧泰愚大統領は南朝鮮「核不在宣言」をした。以後、錦の御旗のように掲げて非核化を口にし続けたが、核の傘の再確認はこれらの措置が空言であったことを意味する。米国の核脅威はまったく軽減されてこなかったのである。(彦)

[朝鮮新報 2009.6.19]