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春・夏・秋・冬

 クリントン米国務長官は、就任後初めての外遊にアジアを選んだ。歴代の政権は同盟国イギリスに目が向いていただけに、米国債のありがたい顧客である中国など、やはり未曾有の金融危機が影響を与えているのかと思う

▼訪日時の外相会談などや記者会見、分刻みのスケジュールをこなすその姿を見ての印象だが、真っ直ぐに相手を見つめながらのハキハキとした物言い、さすが弁護士でありながらファーストレディー、上院議員から大統領候補にまで上りつめた人物である事をうかがわせる。問題は米国を取り巻く現状をどれほど正確に把握し、舵取りしていけるのか、その識見、能力だ

▼その彼女が国務長官に指名されてから、折りあるたびに口にし続けてきた課題の一つが朝鮮の核問題である。つまり米国の意図である「完全に、検証可能な形での核放棄」を主張してきた。併せて6者会談の重要性をも説いた

▼ここで注目したのは「北朝鮮が自らの義務を履行する場合にもたらされる機会についても、互恵主義を発揮してもらいたいという、非常に明確なメッセージを北朝鮮に送りたい」(13日、ワシントンでの記者会見)という言葉だ。さらに6者会談の「議題は包括的なもの」であり、日本が執拗に口にする拉致問題もそこに含まれるという指摘だ(朝日新聞との会見)

▼互恵主義を言うのなら、その権利は朝鮮側にもある。6者会談メンバーの日本もエネルギー支援という義務を果たさなければならない。そしてそのすべては9.19共同声明に明記されている。要は米国が順守するのかどうかだ。(彦)

[朝鮮新報 2009.2.20]