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〈在日サッカー協会のページ〉 W杯出場がもたらしたもの

大きな関心と期待の中で蘇ったサッカー熱

 いよいよ来年、W杯イヤーを迎える。サッカー界にとって今年はどんな年であったかを考える。

 11月26日、AFC年間アワードで朝鮮サッカー協会がアジア最優秀協会賞を受賞した。44年ぶりのW杯出場を果たしたことが大きく評価された。

 女子サッカー部門での協会表彰にも朝鮮の協会は候補に上がったが、男子代表の「サプライズ」とも言える予選突破のインパクトが強かったのであろう。

 W杯出場をもたらしたものとは、はたして何だったろう。

 一言で説明するのは難しいが、この数年間の協会サイドと現場による強化対策が実を結んだ結果というのが正しいだろう。協会サイドでは過去、1980年代後半から女子サッカーの強化に取り組み、FIFA、AFCと連携してカテゴリー別に強化を図った結果、アジア王者、そしてワールドクラスにまでその実力を高めることに成功した。

 女子サッカーの向上に比べ、男子に至っては一時的に低迷の時期が続いたかに見えた。

 しかし、協会サイドでは若い世代による立て直しを計画し、若いカテゴリーの強化に力を入れた。AFC、FIFAの協力を得て環境作りにも重点を置いた強化策を続けてきた。

 1990年代からのこうした構想が徐々にU−17、U−19の結果にもつながり、期待を持てる兆しが見え始めたのであった。

 こういう流れの中、なかなか結果を出せなかった男子代表ではあったが、現代表の多くが当時の若い世代であることから、W杯南アフリカ大会のアジア地区予選が始まると同時に、その関心と期待は試合ごとに高まっていった。

 予選を勝ち抜くとともに一時、低迷していたサッカー熱が蘇り、最終予選へと進むにしたがって、関心と盛り上がりはピークに達した。

もう一つの功労者、在日サッカーマンたちの熱き心

 サッカー協会の変化の時期とともに、その苦難を乗り越えるのに一役かったのが在日サッカー関係者である。選手はもちろん、あらゆる面でのバックアップを惜しまなかった。

 1970年代後半から始まった祖国のサッカー関係者との連携を深める中、今日に至っては代表選手として安英学、鄭大世という2人の中心選手を送り込んでいる。W杯出場にいたる過程において、安英学、鄭大世選手が在日サッカーマンに与えた夢と希望は在日サッカー界にとって大きな変化と言うべき出来事であり、とくに2選手の貢献度は、今までにないものだったと言える。

 現代表チームは、2人の合流によってスタイルに変化を加えることに成功した。現代表チームのスタイルにフィットしたチームの予選突破であり、これまで在日サッカーマンと関係者たちの積み上げた結果であることを忘れてはならない。

 それにより、朝鮮サッカーの発展は在日サッカーマンたちと共に歩んできた結果ということを胸を張って言えるだろう。

W杯組み合わせ抽選

 予想通りの厳しいグループとなった(表参照)。どのグループにしろチャレンジャーとしての立場に変わりはない。

 今年盛り上がったサッカー熱をより確かなものにすべく、半年後のW杯までもうひと踏ん張り期待したい。【在日本朝鮮人蹴球協会】

朝鮮の予選リーグ試合日程(G組)

日時 対戦国 会場
6月15日(20:30〜、現地時間)
6月16日( 3:30〜、日本時間)
ブラジル ヨハネスブルクエリスパーク
6月21日(13:30〜、現地時間)
6月21日(20:30〜、日本時間)
ポルトガル ケープタウン
6月25日(16:00〜、現地時間)
6月25日(23:00〜、日本時間)
コートジボワール ネルスプルイト

[朝鮮新報 2009.12.9]