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大阪朝高ラグビー部 2年ぶり4度目の「全国」へ

昨年度覇者、常翔啓光を下す

 大阪朝鮮高級学校ラグビー部が8日、近鉄花園ラグビー場で行われた「第89回全国高等学校ラグビーフットボール大会」大阪府予選第3地区決勝戦に出場。昨年度の「全国」覇者である常翔啓光学園を25−19で下し、2年ぶり4回目となる大会切符を手にした。この日、会場には同校や東大阪朝鮮中級学校をはじめとする朝鮮学校生徒と学父母、同胞愛好家が多数つめかけ、大きな声援を送った。一方、第1地区決勝では常翔学園が、第2地区決勝では東海大仰星が勝利した。大会は、12月27日から来年1月7日まで、近鉄花園ラグビー場で行われる。

昨年の雪辱晴らす

相手を終始圧倒したFW陣

トライを決めた朴鐘圭選手

「魂のタックル」で相手の攻撃を防いだ

大声援を送る同胞たち

 常翔啓光は昨年の府予選決勝で対戦し、苦杯をなめた相手。これまで公式戦で勝ったことがない相手だったが、選手たちからプレッシャーは感じられない。

 試合開始早々、大阪朝高は強力なFWを中心に相手陣内に切り込んだ。前半5分、大阪朝高はモールからナンバー8の朴鐘圭選手が抜け出し、ゴール左端にトライ。ゴールも決まり7−0と先制した。

 その後も浮き足立つ相手のミスを逃さず、19分にもモールから朴選手が抜け出し、今度は右端にトライを決めた。終了間際の25分にも再び朴選手がトライ。ゴールも決まり前半を19−0で折り返した。

 常翔啓光にはこれまで、練習試合も含めて後半に巻き返されることが多く、後半にどれだけ粘れるかが勝負だった。

 その後半、最初に得点したのは大阪朝高だった。7分、相手のミスからペナルティーゴールを決めた。しかし、ここから常翔啓光の怒涛の反撃、波状攻撃が始まる。10分にトライとゴール、13分にペナルティーゴールを許し点差が縮まった。

 その後も常翔啓光は再三、朝高陣内でトライを試みるが、大阪朝高は「魂のタックル」(呉泰誠主将)をはじめとする強力なディフェンスで相手の攻撃を砕いた。

 28分に再度トライを許したものの常翔啓光の追撃はここまで。ノーサイドとなった。うれしさのあまり泣き崩れる選手や、抱き合って喜びを爆発させる選手。観客席の同胞や生徒たちも応援旗を手に大歓声を上げた。

 試合後、呉英吉監督は「最初のトライを成功させたことで、選手たちは『勝てる』という自信を持った。相手のミスを逃すことなく攻撃に切り替えることができたのもよかった」と述べながら、高3の選手たちが6人という少人数でもチームを引っ張るなど大きな役割を果たしてくれたと語った。

 呉泰誠主将は「大会前、高3だけで合宿所に行き、最後だから頑張ろうと誓い合った。その時、僕のスパイクにみんなの名前を書いてもらった」と誇らしげに見せながら、「優勝の喜びに浸るのは今日だけ。明日からは『全国』に向けて練習に没頭する」「在日同胞、日本各地の朝高の代表という自覚を持って、勝利のために最後まで走りきり、あきらめない試合を見せたい」と決意を新たにした。(李松鶴記者)

[朝鮮新報 2009.11.13]