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FCコリア 関東社会人1部リーグ残留 来年こそは優勝争いを

 関東社会人サッカーリーグ1部に所属するFCコリアは6日、リーグ最終節でACアルマレッザ(埼玉県)を3−2で下し、8チーム中6位の成績で1部リーグに残留した。リーグ昇格1年目で苦しいシーズンを戦い抜いたFCコリアの今年の戦いを振り返る。



JFL昇格を目指すFCコリアの選手たち

 関東社会人リーグは今年で43回目を迎える歴史と伝統のあるリーグで、過去には読売クラブ(現東京ヴェルディ)や日産(現横浜F・マリノス)なども在籍した。全国に9つある地域社会人リーグの中でもレベルが高く、JリーグやJFL(全国アマチュアリーグ)へ昇格するための登竜門となっている。

 今年は、去年の主力CBと、途中交代で得点とアシストを量産したベテランFWなどの主力が数人抜けたが、朝鮮大学校からレギュラークラスの選手を4人補強した。

 しかし、新戦力のチーム合流が遅かったのと、DFとFWの柱が抜けたため、開幕当初はチームとして機能せず、開幕4連敗、前期を1勝6敗1分という成績で終えた。

 復調の兆しが見え始めたのは後期の開幕から。首位を走る日立栃木UVASCを相手に、序盤に退場者を出しながらも善戦、1−3で敗れたものの手応えをつかんだ。

 FCコリアの今年一番のゲームは後期2節のY・S・C・C戦。前期ではなすすべなくも0−5というスコアで大敗したチームに、先制点を奪われながらも見事4−3で逆転勝ちを収めた。優勝争いをしている相手に勝利を収めたことで、選手たちにも自信と手応えが生まれたかに思えたが、その思いは次節に打ち砕かれることになった。

 後期3節の相手は、現在大学サッカートップの流通経済大学サッカー部の3軍である「クラブ・ドラゴンズ」。3軍とはいっても天皇杯の茨城県代表を毎年、同大学のトップチームと争うだけの実力があり、去年も関東社会人リーグで3位に入賞している。

 大学生だけあって、その走力と組織力に圧倒され、序盤から失点を重ねて0−8というスコアで大敗。

 このショックを払拭してくれたのは、同胞たちの温かいサポートだった。次節に埼玉県鴻巣で行われた試合後に、埼玉同胞たちが激励会を開催してくれ、選手たちを大いに励ましてくれた。

 その甲斐あってか、リーグの合間に行われた「全国社会人サッカー選手権大会・関東予選」を見事に勝ち抜き、準加盟チームとしては初の全国大会出場を決めた。

 その後のリーグ戦では一進一退を繰り返しながらも、どうにか最終戦をものにし、通算成績4勝9敗1分け(8チーム中6位)という成績で残留を決めた。

 4月の開幕から9月初旬まで全14試合を戦うタイトなスケジュールのリーグで何とか残留し、来年もJFLへの挑戦権を獲得できたのは良かったが、現状のレベルではJFLへの昇格は厳しいとあらためて感じた1年であった。

 日本全国から雨後の竹の子のようにJリーグを目指すクラブが名乗りを上げ、切磋琢磨している地域リーグを勝ち抜くためには、しっかりとした財政基盤を確立し、選手が何の不安もなくサッカーに専念できる環境を作り出すことがクラブの最優先事項である。

 そして1年でも早くJFLへ昇格し、全国の朝高、そして関東大学サッカーリーグに所属している朝鮮大学校の選手たちが、FCコリアへ入団したいと思うようなクラブにならなければと思っている。【成燦B・FCコリアマネージャー】

[朝鮮新報 2009.9.16]