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女性同盟東京・練馬「アンニョン会」 みんな生き生きいい笑顔

入浴、体操、互いの安否を気遣う

背筋を伸ばして…

 いつまでも健康で楽しく暮らせるようにと女性同盟東京・練馬支部では、2005年から毎月1回第4火曜日(8月と12月は休み)に65歳以上(60歳からでも可)の同胞女性を対象に「アンニョン会」を催している。

 「アンニョン会」は、これまで総連の活動を熱心に支え一線を退いた顧問たちが、顔を合わせる機会がめっきり減るなか、同支部の平和台分会が毎月1回食事会を開き、同胞女性たちがどのように生活しているのかを常に気遣っている活動をヒントにスタートした。

 支部では、65歳から91歳までの同胞女性56人の名簿を新たに作成。総連組織や民団所属の人と関わりのない人も含まれた。

最後は楽しい一口講座

 練馬支部事務所はビルの4階にありエレベーターがない。年配の女性たちが集うには適切ではないと考えた安正恵委員長は、時を同じくして近隣の埼玉県和光市に温泉施設「極楽湯」がオープンしたのを期に「温泉、食事、これなら行ける!」と思い、温泉でのストレッチ運動を企画した。

 安委員長は長年、女性同盟練馬支部で委員長を務めた金静洙顧問(78)を「アンニョン会」の責任者とし、朝鮮学校で47年間体育教員として働いてきた崔吉守さん(66、健康運動指導士)にストレッチの指導を依頼した。支部では参加者たちの負担を軽くするため送迎を一手に引き受けた。そして事前に回数券を購入し、参加者たちが通常800円のところ500円で入浴できるよう配慮した。こうした措置により体の具合が多少悪い年配の人も参加できるようになり、皆とても感謝しているという。

心も体もポカポカ

全身を使って健康体操

 「アンニョン会」の参加者たちは、午前11時から温泉に入って体をほぐし、施設内で食事を済ませた後、午後1時に貸座敷に集合する。

 朝鮮民謡「ブランコに乗る乙女」に合わせて崔さんが振りをつけると、参加者たちは見よう見まねで体を動かす。両手を高く上げて背筋を伸ばしたり、隣の人と向きあって互いを見つめたり、手を取り合って大きな輪になり輪の中心へ外へと進んだりと、さまざまな動きが取り入れられている。参加者たちは皆とても楽しそうで、常に笑い声が絶えなかった。

 「なんだか体がポカポカしてきた」「結構、いい運動になるのねぇ」

指をほぐす参加者たち

 どの顔も笑っている。1時間ほど踊った後はストレッチ。手首をグーっと反らす運動や膝の裏側を伸ばす運動、前にかがんで背中を伸ばしたり、両腕を横に広げてねじる運動などが行われた。

 途中、崔さんは「背中を丸めないで」「息を吐きながら」「体はまっすぐ」「手をねじれるだけねじって」「顔には力を入れない」などと声を上げた。最後はみんなで「わっはっはっは」と大声で笑う。なかには本気で笑い出し、止まらなくなってしまう人も。

 運動の後は「一口講座」だ。全員が車座になって光が丘分会の李英順さん(67)の話に耳を傾ける。この日のテーマは「ぼけない5カ条」。その内容は次の通りだ。

 1、仲間がいて気持ちの若い人
 2、人の世話をよくし感謝のできる人
 3、ものをよく読みよく書く人
 4、よく笑い感動を忘れない人
 5、趣味の楽しみをもち旅の好きな人

 「アンニョン会」の魅力は、同じ地域で暮らす同胞たちが互いの安否を気遣えるところにある。取材日(11月24日)には15人が参加した。この日のまとめで安委員長は欠席者の事情を伝えた。「◯◯◯さんは、先日地下鉄の駅で転倒し右膝の皿にヒビが入った。全治4週間の安静が必要だ。◯◯◯さんは、2月に階段から落ちて肋骨が肺に刺さり6月に退院したが、今はゼリー状のものを食べられるまでに回復し、少し元気になったようだ」と状態を話し、最後に月の予定と朝鮮を取り巻く情勢についてわかりやすく解説した。

 終了後、参加者たちに感想を聞いてみた。

 代表の金静洙顧問は、「第一に健康、第二も健康。自分の体は自分が責任をもって管理していかなくては。『アンニョン会』もすっかり定着して、みんながこの日を楽しみに待っている。誰かが休むとみんなが心配する。これからも70、80、90と年齢に応じてできることに取り組んでいきたい」と意欲を示した。

 金相連さん(77)は、「いつも車に乗せてもらって、よくしてもらい、とても感謝している。毎月ここに来るのが楽しみだ。踊りはちょっとむずかしかったけど、楽しかった」と話した。

 李英順さんは、「練馬は60代以上の『アンニョン会』、50代の『ナルゲ』、子育て世代の『チャララ』、そして近々初会合をする40代の集いと、世代別の女性たちの集いが充実している。表には出たがらないけど、それを準備する人たちの綿密な仕事ぶりは大声で自慢したい。同胞たちが顔を合わせ、互いの安否を気遣い、笑う。一人暮らしをしている同胞もいるなか、この集いは本当に貴重な存在となっている」と強調した。(金潤順記者)

[朝鮮新報 2009.12.23]