金剛山歌劇団特別公演「朝鮮音楽の夕べ」 東京シティ・フィルと同胞合唱団176人が出演 |
心揺さぶる美しい調べ、迫力満点の歌声響く、1800人がスタンディングオベーション
金剛山歌劇団と東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団が1年ぶりに共演する特別公演「朝鮮音楽の夕べVol.2」(主催=同実行委員会)が16日、東京・新宿区の新宿文化センターで行われた。 総連中央の許宗萬責任副議長、金剛山歌劇団の李龍秀団長、児玉慶三・東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団楽団長らをはじめ、在日同胞、日本の政・経済界、学術・言論界、朝・日親善友好団体代表、日本の市民ら約1800人が朝鮮の名曲に耳を傾けた。
昨年に続き2度目となる公演には今回、初めて同胞合唱団が出演した。
1部の第1曲目でタクトを振ったのは金剛山歌劇団の若手指揮者、金成哲さん。ヴァイオリン協奏曲「思郷歌」(特別出演、申愛聖)、テノール独唱「鴨緑江2千里」(李康樹)、女声コーラス「春の歌」と続いた後、人民芸術家・金慶和さんがタクトを執り、カヤグムとコムンゴの2重奏「砦の春」(功勲俳優・河栄守、金栄実)、バリトン独唱「ムンギョン峠」(人民俳優・柳展鉉)、女声民謡独唱「新アリラン/ヨンチョンアリラン」(宋明花)、男声コーラス「青春讃歌」、チャンセナプと管弦楽「ブランコに乗る乙女」(功勲俳優、崔栄徳)が舞台を飾った。 2部では管弦楽「花を売る乙女」(1〜4楽章)が披露され、観客たちを朝鮮音楽の世界へと導いていった。
2時間あまりの公演の最後を飾ったのは、合唱「チョンサン里に豊年が来た」と「祝杯の歌」。同胞合唱団176人による歓喜の歌声に、客席はスタンディングオベーションで応えた。
公演終了後、デザイナーの山本寛斎さんは、「こんなにたくさんのチマ・チョゴリ姿を一度に見たのは初めて。今日は、私があまりよく知らない楽器が演奏され興味深く見た。美しいもの、美しい音楽に国境はない。21世紀はアジアの時代になると思う」と話した。 同胞合唱団出演者の李慶寿さん(23)は、「公演をぜひとも毎年行ってもらいたい。『チョンサン里に豊年が来た』は朝高の卒業式で合唱した馴染みのある曲。合唱団の人数をもっと増やして、若い世代の参加を呼びかけていきたい。日本の社会に出て、チマ・チョゴリを着る機会がほとんどない中、歌う喜びプラス、チョゴリを着る楽しみがあるのも良いと思う」と話した。 また、愛媛県から駆けつけた同胞女性(58)は、「今日はとても幸せな一日だった。『花を売る乙女』を聴きながら、青春時代のいろんな思い出が走馬灯のように駆け巡った。迫力のある大合唱は脈々とつながる同胞と組織の力強さを感じさせられた。ものすごいパワーをもらった」と語った。(文=金潤順、写真=文光善、盧琴順記者) [朝鮮新報 2009.12.21] |