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第2回「こころとマウムエピソード大賞」 茨城初中高で授賞式

朝・日つなぐ心温まる作品

左から金恵潤さん、金載英実行委員長、羅由熙さん、金東鶴事務局長

最優秀作品賞を授与される羅由熙さん

 在日本朝鮮人人権協会(以下、人権協会)が主催する「こころとマウム エピソード大賞」が昨年に引き続き今年も行われた。日本人の「こころ(心)」と在日朝鮮人の「マウム(心)」とが触れ合って生まれた、良き隣人としての心温まるエピソードを掘り起こし、紡ぎ、「もっといい未来」への道しるべとしよう、ということではじまった本企画。今年も日本各地から心温まる話が多数寄せられた。厳正な審査の結果、最優秀作品をはじめ各賞が決定した。

 11月28日、最優秀作品に選ばれた「シュークリームの思い出」(羅由熙、高2)と佳作「大好きなイモブ」(金恵潤、高2)の授賞式が茨城朝鮮初中高級学校で行われた。

 全校生徒と教職員、金東鶴・人権協会事務局長が見守る中、金載英・人権協会理事(同企画実行委員長)が羅由熙さんと金恵潤さんに表彰状と副賞を手渡した。金委員長は、「『こころとマウム』は在日同胞と日本人とが仲良くしていこうとの思いでスタートした。審査員15人の投票の結果、圧倒的に羅由熙さんへの投票が多かった。これを教員、学父母を含め全校生徒の自慢にしてもらいたい」と熱く語った。

 最優秀作品は、羅さんが中1のときに起きた中越地震の際に、当時通っていた新潟朝鮮初中級学校のミレフェスタで売るはずだった食品などを被災者へ送ったことをきっかけに、その後、偶然バスの中で出会ったおばあさんとの心の触れ合いを描いている。

 初級部1年生から寄宿舎生活を送っている彼女は、受賞の知らせを聞き「本当にびっくりした。自分の体験をいろんな人が知ってくれるのはうれしい」と喜びを語った。読書好きで、とくにノンフィクションに興味がある羅さん。中でも「生きながら火に焼かれて」(スアド/著 松本百合子/訳)はあまりに衝撃的で印象深かったと語る。「はっきり決まったわけではないけど、将来的には両親をなくしたり傷ついた子どもたちのために仕事がしたい」と考えている。

 最優秀作品「シュークリームの思い出」を紹介する(別項)。

 第2回「こころとマウム エピソード大賞」の各受賞者は次のとおり(敬称略)。

 【最優秀作品】「シュークリームの思い出」(羅由熙)

 【優秀作品】「勇気をくれた一本の電話」(成明美)、「再会」(徐麻弥)

 【佳作】「ハルモニとの出会いに思う」(安西玲子)、「必然的な出会い」(黄寿恵)、「まあ先生、ありがとう」(金春淑)、「父を支えるもの」(小田章惠)、「大好きなイモブ」(金恵潤)、「朝鮮人の僕と日本人の先生」(朴卓)、「ハラボジのラーメン」(広瀬花穂)、「短歌を通して結ばれた友好」(金忠亀)、「トック」(朴賢憲)、「にごり酒」(高前田博子)(金潤順記者)

最優秀作品 シュークリームの思い出

[朝鮮新報 2009.12.18]