〈食のはなしK〉 美肌と朝鮮料理 |
肌は健康のバロメータ 肌は健康のバロメータ、内臓の鏡といわれるほど体の状態をよく反映する。健康の指標は「快眠、快食、快便」だが、これらが崩れると湿疹や吹き出物など肌に異常がてきめんに現われる。もっとも「素肌美人は食にあり」といえるほど肌の健康と食は切り離して考えられない。では、健康な素肌を得るための秘訣とは何だろうか。 ひとつは「肌を作る材料を供給」するということ。体を作るために必要な材料はタンパク質であるが、中でもコラーゲンは全タンパク質の30%を占め、肌、髪、骨、血管など体を作る基本材料となり、日々生まれ変わる細胞や健康な体作りに欠かせない。とくに肌はコラーゲンが約70%を占めるといわれ、弾力や潤いを与え、シミ、シワを防いでくれている。コラーゲンは牛スジ肉や豚足など朝鮮民族が好んで食べる食材に豊富に含まれている。 もうひとつは「肌を守ってくれる栄養素の供給」。老化や病気の原因に活性酸素というものがある。酸素といえば人間が生きていくうえで必要なものだが、活性酸素となると不安定な酸素の状態を指し、安定した酸素に戻ろうと酸化を起こすことで細胞や遺伝子にダメージを与え、老化やガンなどさまざまな病気の原因になると考えられている。またコラーゲンを変質させその結果、肌の弾力性がなくなり、シミやたるみを起こす。すなわち活性酸素は一種の「錆びの原因」と思っていただけるといいだろう。さらに活性酸素を増やす原因の一つは紫外線である。周知のとおり紫外線はメラニン色素を増やし、シミ、そばかすの原因となるので素肌には大敵だ。 そこで、肌を活性酸素から守ってくれる栄養素が野菜や果物の色素に含まれているということが知られ注目をあびている。まずリコピン、カロテン、カプサンチンなどのカロテノイド類は活性酸素を除去し、メラニン色素の生成を抑える効果があるといわれている。これらは赤黄色の野菜類(たとえばトマト、唐辛子、人参、赤ピーマンなど)に多く、中でも唐辛子はカプサンチンのほかにビタミンA、Cも豊富だ。ビタミンAは皮膚の乾燥を防ぎ、活性酸素を除去する強い抗酸化作用がある。ビタミンCも同様に抗酸化作用を持っており、コラーゲンの生成になくてはならないビタミンである。 そのほか肌に良いといえば、若返りビタミンといわれているビタミンE(種実類、たとえばナッツ、松の実などに豊富)、抗酸化物の働きを助けてくれるビタミンB群をあげることができる。また食物繊維や乳酸菌を多く取り入れ腸内を整えることも大切なことだ。 最近よく「コリアの女性は肌がきれいね」と耳にする。日常的に野菜中心、薬食同源の朝鮮料理を食べると言えば、納得がいくのではないだろうか。今日から朝鮮料理をたくさん食べて健康と美肌をゲットしよう。(金貞淑、朝鮮大学校短期学部准教授、栄養学専攻) ■「キムチチゲ」の作り方■ 【材料】
豚肉薄切り…………300g 【調味料A】
酒……………………大2 【作り方】 蕪リ肉、キムチは3〜4センチに切る。 俣、腐は8等分に、シイタケは4等分に切り、エノキはいしづきを切り落とす。長ネギは5、ミリの斜め切りに、ニラは5a幅に切る。 欄轤ノごま油を入れ、おろしニンニク、豚肉、キムチを炒める。さらに【調味料A】を入れてよく炒め、納豆とだし汁を加える。 沸騰したらアクを取り、豆腐、シイタケ、エノキ、長ネギを加え煮る。最後にニラを加える。 ※「キムチチゲ」は、発酵の進んだ酸味のあるキムチを使うと美味しい(管理栄養士の金理順先生提供)。 [朝鮮新報 2009.12.4] |