夢の舞台−「朝鮮音楽の夕べ」Vol.2間近に、金剛山歌劇団と東京シティ・フィルとの共演に期待 |
練習に余念ない同胞合唱団
来る16日、金剛山歌劇団特別公演「朝鮮音楽の夕べ」vol.2が東京・新宿文化センターで催される。 昨年に続き、歌劇団のソリストたちと東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団による共演が再現する。 今年は東京、千葉、埼玉、神奈川、西東京のコーラスサークルをはじめ、同胞愛好家、朝鮮大学校の学生らで構成された200余人規模の同胞合唱団の出演もまた、見所の一つだ。 東京シティ・フィルハーモニックの児玉慶三楽団長は「昨年12月、金剛山歌劇団ソリストたちと私たちとの初共演が実現し、とても貴重で楽しい体験をすることができた。『アリラン』など朝鮮民族の懐かしいリズム、歌劇団のみなさんの美しい歌声、さらに観客のみなさんのノリのよさ。私たちも演奏していてとても心地よい思いをした。今年も同じようなすばらしい体験ができるのをいまから期待している。みなさんと、会場でお会いするのを楽しみにしている」と、期待を込めて語った。 同胞合唱団は、「同胞アイネット拡大21」が盛んに繰り広げられているなかで、2009年を同胞たちの歌声で飾り、運動に花を添えようと、金剛山歌劇団が提案したもの。 公演を目前に控え、同胞合唱団のメンバーたちは練習に余念がない。 大舞台に向けて
公演約1カ月前の11月17日、朝大・音楽室で行われた西東京地域の練習場を訪ねた。 大雨が降りしきる寒空にもかかわらず、60〜70代の同胞女性たちによるコーラスグループ「コールハナ(華)」と、30〜40代の同胞女性たちのコーラスグループ「ヘバラギ(ひまわり)」のメンバー19人が練習に訪れた。 金剛山歌劇団の指揮者・金慶和さん(人民芸術家)の指導のもと、「青山里に豊年が来たよ」の練習を行った。 メンバーたちは、歌劇団から事前に渡された楽譜とデモテープを基に各自、家事の合間や車の中などで歌を覚えたという。
この日の練習では、金さんの言葉に耳を傾け、音をとって発声をし、必要箇所は楽譜にペンでチェックしたり、質問をしたり、互いに教えあったりと、終始意欲的に練習に参加していた。
金さんは、他地域にも足を運び、指導をしてきた。この日の指導を終えて「みんなの自己練習の成果もあって、基本の形はできている。懸命な姿に、公演の成功が目に浮かぶようだ」と語った。 公演を目前に控え、メンバーたちは意気を上げている。「コールハナ」の責任者・権錦淑さん(64)は、「金剛山歌劇団、東京シティ・フィルハーモニックと共演できる機会は、そうそうない。今回その舞台に立てるのでうれしいかぎり。メンバーたちも、公演に向け意欲満々だ。とくに今回初チャレンジの『青山里に豊年が来たよ』を、各地の歌好きの同胞たちと合唱できることが楽しみ」と語った。 金玲愛さん(43)は、「ヘバラギ」の責任者。「オーケストラとの共演、大舞台に立てることをみんなが喜んでいる。仕事や家事、子育てに追われながらも歌を覚えて、練習に足を運んでいる。公演では、舞台を楽しみ、練習の成果を十二分に発揮したい」と意気込みを語った。 また、当日は合唱団による「祝杯をあげよう」も披露される予定だ。 公演まであと10日ばかり。夢の舞台は、もうすぐ開幕を迎える。(姜裕香記者) ■「朝鮮音楽の夕べ」Vol.2■ 主な演目=合唱「青山里に豊年が来たよ」、交響曲「花を売る乙女」、チャンセナプ独奏「ブランコに乗る乙女」、バリトン独唱「ムンギョン峠」、テノール独唱「鴨緑江2千里」、カヤグムとコムンゴ2重奏「砦の春」 日時=12月16日(水) 17時半開場、18時半開演 会場=新宿文化センター チケット=S席7000円/A席5000円/B席 3000円(全席指定) 問い合わせ=金剛山歌劇団後援会事務局 TEL 042・341・6411 [朝鮮新報 2009.12.4] |