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広島朝鮮学園総合芸術公演「在掌」 24年ぶりの開催、1400人が集う

「先代の思いを後代にまで」

校歌を歌う全校生徒と園児、実行委員たち

 広島朝鮮学園総合芸術公演「在掌」(主催=同実行委員会)が13日、ALSOKホールで行われ、1400人を超える同胞と日本市民らが観覧した。

 24年ぶりの開催となった公演には、広島朝鮮初中高級学校の生徒と園児、学父母と同胞ら372人が出演。同校が歩んできた歴史を振り返る1部と生徒、園児たちの明るい未来を描いた2部にわたり13の演目を披露した。

 公演に先立ち、広島市の三宅吉彦副市長が秋葉忠利市長のメッセージを代読。創立以来、同校が中四国地方の在日朝鮮人子弟の拠点的な教育機関として果たしてきた役割を評価しながら、生徒、園児たちがより一層勉学に励み、先輩たちに負けないよう地域社会で活躍してくれることを期待していると語った。

 全校生徒と園児による合唱「われらの誇り」で幕を上げた公演では、生徒と園児たちが多彩な歌と踊りを披露。アボジ、オモニたちも子どもたちへの思いを込めた歌などを舞台に上げた。

 公演を観覧したある日本人女性は、「すべての演目が素晴らしかった。特に生徒たちの踊りと学父母たちの歌に深い感銘を受けた。園児たちの踊りもとても可愛らしくてよかった」と感想を述べた。

 公演の最後には、出演者と実行委員会のメンバーたちが校歌を歌い、今後も母校を発展させていく決意を披瀝した。

 李英一・実行委員長は、たくさんの人が公演を観覧してくれたことに謝意を表しながら、朝鮮学校を取り巻く状況は依然厳しいがそこから目を背けるのではなく、真しに向き合って学校を守り発展させていくことによって、1世たちが民族教育に捧げた思いが3世、4世、5世にまで受け継がれていくようにしたいと語った。

民族教育の素晴らしさ、大切さ伝えたい

 13日、広島市のALSOKホールで行われた広島朝鮮学園総合芸術公演「在掌」。生徒と園児、学父母ら372人が出演し、1400人を超える同胞と日本市民らが観覧した。公演は、家族や友人、子どもたちの笑顔、そしてウリハッキョなどの「宝物」はすぐ近く(掌の中)にあるということをテーマに、24年ぶりに行われた。公演成功に向け30代、40代が中心となって実行委員会を立ち上げ、7カ月にわたって準備を進めてきた。

372人が13演目を披露

全生徒、園児、卒業生たちが出演した「豊作−私たちの願い」

 オープニングでは、学校創立当時を知る人のインタビューを通して創立から現在までの歴史をふりかえるとともに、広島の民族教育、朝鮮学校が置かれている厳しい状況を収録したビデオが上映された。

 そして、厳しい状況の中でも、すべてを投げ打って民族教育などを守ってきた1世たちの熱い思いを後世に伝えようという出演者たちの決意を代弁する合唱「われらの誇り」が披露された。

 続いて、初中級部舞踊部による舞踊「歓喜」、高級部声楽部と高級部男子の重唱「友とのハーモニー」、初級部高学年による合奏「楽しい祝日」など、明るい笑顔と光り輝く瞳で一生懸命歌い踊る生徒たちの姿に、観衆からは惜しみない拍手が送られた。

 次に舞台に登場したのはアボジたち。

 広島朝鮮初中高級学校では、昨年4月にアボジ会が発足し、学校の美化活動を行ったり、一緒にハイキングに行ったりと、アボジたちはこれまで以上に子どもたちのため、学校のために一肌もふた肌も脱いできた。

 そんなアボジたちが踊りも交えながら子どもたちへの思いを込めて「子どもたちの未来へ」を熱唱すると、オモニたちの「黄色い声援」とともに会場からは割れんばかりの拍手が鳴り響いた。

園児たちの明るい笑顔に惜しみない拍手が送られた

 1部の最後を締めくくった園児たちの農楽も好評で、孫や子どもの晴れ姿に涙するハラボジやハルモニ、アボジやオモニも多かった。

 2部では、民族管弦楽部と吹奏楽部の「アリラン」や高級部舞踊部の「その想いを咲かせます」、高級部3年男子のトーク「僕たちの宝物−ウリハッキョ!」などのほか、オモニたちによる重唱「母の願い」などが披露され、全校生徒と卒業生、学父母らが出演する合唱と舞踊「豊作−私たちの喜び」がフィナーレとなった。

 その後、実行委員たちが舞台に上がり、プログラムにはない演目である校歌を歌い、公演は幕を閉じた。

「ハッキョのため、子どものため」

子どもたちへの思いを込めて熱唱するアボジたち

 今回の公演は02年9月以降、在日同胞社会の中でもとりわけ厳しい状況のもとに置かれてきた学校と生徒、園児たちに明るい未来を与えようという30代、40代の同胞たちの思いから出発した。実行委員会の李英一委員長は、昨年、同公演の前夜祭として生徒たちによる10分程度の小公演を日本の人たちに見せたところ、皆がとても感動したことに触れながら、本公演にはさらに多くの日本の人たちを招待しようと準備を進めてきたと話す。

 そして、「仮にウリハッキョでの民族教育がゆがんだものであるならば、子どもたちにあんな笑顔はないはず。02年以降、一番苦労したのは子どもたち。この間、異国の地で民族教育を行うことの難しさを実感する日々でもあったが、それと同時に民族教育の素晴らしさ、大切さにあらためて気づいた期間でもあった」と強調した。

 実行委員はみんな同校出身。現役の青商会メンバーもいれば、以前青商会メンバーとして活躍し、現在は商工会や教育会をはじめとするさまざまな分野で活躍しながら、母校のため、子どもたちのために努力を惜しまない人たちばかりだ。

 また、教員たちは「実働部隊」として生徒や園児たちの練習はもちろん、準備作業での細かい部分にまで気を配り、公演を成功に導いた。

 民族教育を築き守ってきた1世たちの魂を3世、4世、5世に受け継いでいってほしい―口で言うほどたやすくはない大きな仕事をやってのけたいという強い思いを、実行委員や教員、学父母をはじめとする同胞たちから感じ取ることができた。(李松鶴記者)

[朝鮮新報 2009.11.24]