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金剛山歌劇団公演「アルム」 長崎市で9年ぶり、盛況

舞踊「沈清伝」の一場面(長崎県平和運動センター提供)

 金剛山歌劇団長崎公演(主催=同公演実行委員会)が9日、長崎市公会堂で行われた。

 総連長崎県本部の金清吉委員長と公演実行委員長の高實康稔長崎大学名誉教授(長崎平和資料館理事長、長崎在日朝鮮人の人権を守る会代表)、長崎県連合会の吉村庄二代表、市議会の鶴田誠二議員、中村すみ代議員、長崎大学の舟越耿一教授、中華人民共和国駐長崎総領事館の滕安軍総領事をはじめ、同胞と日本市民ら800余人が公演を観覧した。

 長崎県では、7年前に佐世保市で公演を行って以来の公演となった。長崎市では実に9年ぶり。

 県内は同胞数が少ないうえに、近年の不況も重なった。また、甚大な被爆体験を持つ同県では、「核」に敏感で、朝鮮に対する誤解や非難の声もあがっていた。そういった事情から、毎年、公演を催そうという試みもあったが、なかなか実現には至らなかった。

 総連本部は、昨年から長崎県平和運動センターに公演の支援を依頼、幾度となく足を運んだ。結果、良心的な日本人を中心に今公演実行委が結成された。

 今春から同実行委が動き出したものの、「朝鮮像」を曇らすさまざまな報道に、内部で意見が割れたこともあった。

 しかし、何度も話し合いを重ね、朝・日友好、国交正常化への一歩となることを願い、難しい状況下でも公演成功に向けてがんばろうと、一丸となり準備に取り組んできた。

 公演当日、右翼団体が数台の街宣車で押し寄せ騒ぎ立てたが、公演を待ち望む観客の思いをくじくことはできなかった。

 公演を観覧した奥村佳代子さん(68)は、「とにかく『すばらしかった』の一言に尽きる。よく通る声はもちろん、眼が後ろにあるかのような、正確な太鼓の撥さばきと優雅な舞に圧倒され、私たち日本人が忘れかけている親子の絆や愛情、親切心などを思い起こさせてくれる演技に、ただただ頭が下がる思いがした。

 オーケストラの演奏と舞台の動きにも一体感があり、気持ちにゆとりが持てない生活のなかで、一幅の清涼剤を補給した気分にしてくれた、本当にすばらしい公演だった」と話した。

 藤田直子さん(28)は、「1部では、団員のよく伸びる声と、朝鮮の民族楽器の力強さと美しさに浸れた。2部の音楽と歌と踊りで創りあげられた3つの古典舞踊では、演者の滑らかな動きやまるで語っているかのような表情が印象的で、とても感動した。

 他国の文化に触れ合うことで、日常とは少し違った雰囲気を味わい、楽しい時間が過ごせた」と感想を残した。

 公演後には、実行委と団員らの交流会が設けられ、互いの舞踊を披露したりするなど、終始笑いがあふれていた。

 一方13日、金剛山歌劇団北九州公演(主催=同公演実行委員会)が福岡県北九州市の九州厚生年金会館で開かれた。

 総連福岡県本部の李周学委員長と公演実行委員長の朴聖周小倉商工会会長、市議会議員らをはじめ、同胞と日本市民ら1500余人が公演を観覧した。

[朝鮮新報 2009.11.24]