〈徐千夏先生の保健だより-11月-〉 「ウリハッキョにも保健室ができたよ」 |
各地のウリハッキョに保健室が整備されています。尼崎朝鮮初中級学校に続き、10月末に神戸朝鮮初中級学校にも保健室ができました。 4月当初から話はありましたが、保護者らの強い要望により秋から実現することができました。保健室は2階の真ん中に位置し、日当たりもよく子どもたちが多く行きかう場所を用意していただきました。 初めての日に子どもたちは「何ができるんだ???」といった感じで興味津々でした。 保健室がまだ準備段階でゴチャゴチャしているにもかかわらず、子どもたちは見学にきたり、本を見にきたり、身長や体重を測定しにきていました(わぁー、とっても素直で積極的な子どもたちだな…)というのが第一印象でした。 幼稚班・初級部低学年・初級部高学年・中級部と対象別に「保健室とはどんな所なのか?」「保健室の先生は何をするのだろうか?」というテーマで話をさせてもらいました。 みんな目をクリクリさせながら聞いてくれました。まずは手始めに「せきエチケットについて」保健指導を行いました。こうして、ちょっとした瞬間やタイミングを逃さずに衛生面の話をするのも養護教諭の仕事です。簡単なアンケートでポケットティッシュを持参している男子生徒が多いことに驚きつつも、風邪予防の意識が高いなと思いました。 話が終わるやいなや、子どもたちは気軽に話かけてくれたり、質問攻めにあいました。 「どうやったらニキビが治るんですか?」 「どうしたら身長が伸びるんですか?」 「この傷がまだ治らないんですが、どうしたら早く治りますか?」 「目のくまはどうしたら消えるんですか?」 まぁいろいろ出てきます。その質問にできるだけ真剣に答えます。洗顔の方法を詳しく伝えたり、何を食べると骨に良いのか詳しく話します。 すると子どもたちは今までの疑問が一気に晴れたような、すがすがしい表情で帰っていきます。そんな子どもたちの表情を見るときが一番幸せです。 写真のように身長と体重を測定して、全国平均と見比べて自分の成長を確認する。 視力表検査をお互いにしながら、視力の確認をする。視力検査と身長計が一番人気ですね。 子どもたちは皆、自分の身体に興味いっぱいなんです。ただ、それを確認できる場がなかっただけなんです。こうして、保健室で自分の成長を確認することにより、自分自身を大切にします。自分の身体をケアする方法を知る。自分の限界や手加減を知る。それが他人を思いやることにつながっていきます。 そんな場所、保健室が各地のウリハッキョにもあるという情報が続々伝わってきます。 他にも保健室設備を備えた学校も増えてきていると聞いています。 また、ウリハッキョにも保健室を作りたい! 養護教諭の方にきてほしい! という声も保護者から聞いています。 子どもを育成してく中で、心のケアは必要不可欠の時代に突入しています。 その他、子育てに不安を抱いている保護者たち、学級指導をどうしたらよいのか悩んでいる教師たちのためにも、客観的な立場の人間が学校に携わるのはよい機会だと思います。 できれば、看護師・保健師・薬剤師免許を持っている保護者の方やOBの方に協力してもらい、保健室運営や性教育授業などを手伝ってもらえるとウリハッキョの保健教育の発展につながると思います。 全国の同胞医療人の方々! どうか協力お願いいたします。 [朝鮮新報 2009.11.11] |