〈朝鮮と日本の詩人-110-〉 吉野弘 |
朝鮮語へのあふれる愛 韓国語で 韓国語で 韓国語で 韓国語で 韓国語で 朝鮮語への愛情にみちた「韓国語で」の全文である。詩を成り立たせる手法の一つに語呂合わせというのがあるが、この詩では、朝鮮語の同音異語を巧みに用いて、1連が5行の全5連を定型詩のように組み立てている。そして、各連には、易しい言葉にこめられた詩人の哲学的思索が抒情で息づいている。 吉野弘は1926年に山形で生まれ酒田商業を卒業した。詩「漢字喜遊曲」など文字・言葉遊びの詩で人生を凝視する作品が幾編かあり、強大国米国批判の詩「オネスト・ジョン」など政治的テーマの作品も目につく。詩集「幻・方法」「入曽」などと詩画集「10ワットの太陽」がある。(卞宰洙 文芸評論家) [朝鮮新報 2009.11.9] |