〈本の紹介〉 「サイゴンのコニャックソーダ−酒こそわが人生−」 |
旅と酒を綴ったフォトエッセイ 著者は、戦場カメラマンとして何度も死線をくぐりぬけてきた写真家の石川文洋さん。「戦場から帰ってくると、下宿で音楽を聴きながらコニャックソーダ(ブランデーをソーダで割ったもの)を飲み、街に出ては仲間たちと、またコニャックソーダを飲んだ」と40年以上前のベトナム戦争での体験をふり返っている。 本書には、これまで回った55カ国で飲んだ酒のエピソードが、カラーとモノクロ200点以上の写真とともに収録されている。 中には朝鮮のリョンソンビールやどんぐり酒、焼酎、ヘビ酒、人参酒、ブルーベリー酒の思い出も。 「普通江ホテルのバーで飲んだヘビ酒がキリッとした味でとても旨かった。大きな瓶に入ったヘビ酒をお土産にしたかったが、飛行機の中で割れてスチュワーデスを驚かせたらいけないと思ってあきらめた」 2006年、ベトナム戦争取材中に亡くなった15人の日本人ジャーナリストの慰霊をしようと四国遍路を慣行中、心筋梗塞で倒れたが、奇跡的に回復。現在は週1回の休肝日を守りつつ、一日、日本酒一合の生活を楽しんでいるという。(七つ森書館、2200円+税、TEL 03・3818・9311)(潤) [朝鮮新報 2009.11.2] |