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千葉初中チャリティー金剛山歌劇団・「アルム」習志野公演 大盛況

「朝・日親善のきっかけに」

 千葉朝鮮学園チャリティー金剛山歌劇団習志野公演が8日、習志野文化ホールで行われた。総連中央の李沂碩副議長兼事務総局長と梁玉出教育局長、総連千葉県本部の河秀光委員長(公演実行委員会委員長)、金剛山歌劇団の李龍秀団長をはじめとする活動家と同胞、千葉県議会、県下市議会議員、「千葉朝鮮学校を支える会」「千葉朝鮮学校を支援する千葉県民と女性議員の会」「千葉県日朝囲碁交流協会」「千葉県朝鮮人強制連行真相調査団」など日本人士ら1100余人が観覧した。

朝鮮芸術にうっとり

3大古典名作舞踊組曲より「興夫伝」

 公演ではまず、実行委員会を代表し河秀光委員長があいさつした。河委員長は、チャリティー公演を民族教育への理解と支援の輪を広げ、千葉県における朝・日友好親善のきずなをより深めるきっかけにしたいと指摘。地域同胞の力と知恵をひとつにして、生徒たちを立派な人材に育てていこうと訴えた。

 公演第1部では、器楽演奏「アルム」、男声独唱と女声コーラス「わが故郷」、チャンセナプ2重奏と男声重唱「海の歌」などが披露された。

 第2部では、朝鮮の3大古典名作である「沈清伝」「興夫伝」「春香伝」を組み合わせた舞踊「孝、義、愛」を披露。朝鮮民族の歌と踊り、民族器楽の音色に観覧者は魅了されていた。

 2部公演が始まる前に、千葉初中の韓徳浩さん(中3)と白聖亜さん(中3)が、チャリティー公演来場者に謝意を表した。

老若男女が東奔西走

チャンセナプ2重奏と男声重唱「海の歌」

 千葉県での歌劇団公演開催は3年ぶり。今公演の特徴は、総連本部が中心となり、総連西部支部と千葉支部が母体となって実行委員会が組まれたことだ。活動家や千葉初中教育会、アボジ会、オモニ会、青商会などの実行委員らはこの間、広告募集、チケット販売に多くの汗を流した。

 実行委員会ではまた、各階層の日本人士に公演観覧を呼びかけ、まずは朝鮮学校生徒の姿、朝鮮のハイレベルな芸術を見てもらおうと、約500枚のチケットを無料配布した。

 一方、チケット10枚を販売した80歳を超える同胞女性、すすんで5枚のチケット販売を受け持った千葉初中教員など、美談も数多く生まれたという。

 朴正植さん(70)もチケットを売るために東奔西走したひとりだ。チケット約30枚を親類で受け持った。「朝・日友好はわが家の一貫した思い。すばらしい内容の公演に、旅先で出会って妻が誘った日本の方も連れてくることができた」と笑顔で話していた。

次代になう若い世代

 実行委員のひとり、千葉県青商会の李龍大会長(38)は、歌劇団の公演を通じ、市民らの間に朝鮮学校への理解をいっそう深めたいと考えている。

 「先代が血と汗で守ってきたウリハッキョに今、運営資金が不足している。だから動く」

 受付を務めていた千葉初中オモニ会の王明恵会長(44)は「民族性を育むウリハッキョのために心をひとつにしているオモニ会の姿を、子どもたちもしっかりと見て、オモニたちの気持ちを脈々と継いでもらいたい」と目を細めた。

 この日、チャリティー公演の観覧者もさまざまな思いを抱いていた。

 公演前、千葉初中を紹介する展示物に見入っていた谷岡典子さんは、県内の学校教員だ。「日朝の人たちが互いにわかり合える今日のような場に千葉初中教員の誘いがあり来ることができた。今後も、千葉初中教員をはじめ日朝の交流を進めていきたい」と話した。

 「千葉朝鮮学校を支える会」事務局の二瓶朝夫さん(59)は、「民族学校を支えるため、在日の人たちががんばっている姿に感銘を受けている。われわれとしては今後、『支える会』がなくてもよい環境を作るため、がんばりたい」と述べた。

 趙来旺さん(30)、皇甫美和さん(31)夫妻は2歳の娘、梨央ちゃんを連れて公演を観覧。「心が潤った。このような民族を感じる場は、子どもにとっても貴重な場」だと強調した。

 金剛山歌劇団のウリハッキョチャリティー公演は多くはない。歌劇団の李龍秀団長は、「経済状況が厳しいなか、千葉初中チャリティーのための公演開催に尽力していただいた実行委員らの姿から、われわれも多くの力と勇気を得た。今後、各地での巡回公演で同胞サークルや学校部活の指導などに積極的に取り組み、『100日運動』をいっそう盛り上げていきたい」と語った。(文=李東浩、写真=呉陽希記者)

[朝鮮新報 2009.10.14]