〈徐千夏先生の保健だより-8月-〉 夏休みがチャンス! 親子で対話を |
先日、ある学校の保護者を対象に子育て支援の講演をしました。その後、参加者たちがこんな感想を述べてくれました。 毎日が仕事と子育てに追われていて、子どもの話を十分に聞いてあげる時間がないことが悩みの一つだったそうです。ある日、時間を割いて娘の話を1対1で時間をかけてじっくり聞いてあげると、娘がひとこと「あ〜オモニに話してよかった」と言ってくれたそうです。娘の満足そうな顔色を見て、話を聞いてあげられて本当に良かったと、保護者は涙ながらにまた、満足そうに話してくれました。 子どもを持つ保護者のみなさんも同じ思いをされているのではないでしょうか? 話を聞いてあげたいけど、時間がない。ついつい忙しくて「あとでね」「いま、忙しいから」と後回しにしていることが気がかりなのではないでしょうか? 実際、親との関わり方は子どもに大きく影響してきます。 保健室でも、朝一番にお腹が痛い…と訪ねてきて、話を聞いていくうちに登校する前にオモニとケンカしてきた…なんてエピソードはよくあります。 他にも、用事はないけど訪ねてきて話し相手になってほしいという子ども。あとで聞いたところによると仕事の関係で親と会える時間があまりなかった…親とのかかわり方は子どもの心理状態に密接に関係していることを毎日感じさせられます。 そこでチャンス! この夏休みに、お子さんと向き合って対話をしてみてはどうでしょうか? ここで言う「対話」とは、心と心が向き合った会話のことです。 人に話す 人にきちんと話ができる、いろんなことを伝えることができるというのは重要な能力です。 人に話しをするためには、自分の考えを頭の中でまとめる必要があります。相手にわかりやすく伝えるためには、相手への思いやりが必要です。どちらも人として大切なことだと思います。子どもが十分に話をするためには、親がきちんと聞いてあげることが大切です。
@ 1週間のうち1回でも、30分でも時間を作ってみましょう 話を聞く 人の話をきちんと聞くことも大切なことです。 人の話を聞くことで、知識を得たり、理解力を養うことができます。 実際クラスの人気者には聞き上手な子どもも多いようです。 親が子どもにいろんな話をしてあげれば、それだけ子どもの心(知識・理解力・思考力・対人能力)は成長するでしょう。(本の「読み聞かせ」も効果があると思います) また、人の話をよく聞けるようにするということは、人への思いやりの心を育てることにつながるのではないでしょうか? 子どもは親の話す言葉を自分の言葉(考え方)にしていきます。 他の人やテレビなどの言葉も覚えますが、親の影響が一番でしょう。 子どもとよりよい対話を重ねることができたらと思います。そうすることで、子どもは安心感を覚え、心の安定を維持していけるのです。 最近、子どもの顔色がおかしかったり、元気がなかったら30分、時間を作ってあげてみてください。そして「最近、何か困ったことや気がかりなことはない?」から始めてみてはいかがでしょうか。 [朝鮮新報 2009.8.5] |