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映画「星の流るるせせらぎの辺で」 東京・足立で上映会

「笑いあり、涙あり、溢れるパワー」

上映を待つ同胞たち

 映画「星の流るるせせらぎの辺で」(朝鮮大学校文学部連合同窓会制作)の上映会が、20日、東京都足立区の東京朝鮮第4初中級学校で昼、夜2回開かれ、約300人の同胞と生徒らが鑑賞した。

 この映画は、脚本、監督、撮影をはじめとするスタッフのほとんどを朝大の卒業生、在校生が務めた。これまで、朝鮮の映画関係者が訪日し、在日同胞スタッフらとともに劇映画「銀のかんざし」などを制作したことはあったが、朝大の卒業生、在校生の手による劇映画の制作は今回が初めて。

 女性同盟足立支部の主催で開かれたこの日の上映会には、監督を務めた金正浩さんも駆けつけ、「今回の映画制作には、すべての世代、すべての学部の卒業生、在校生が力を結集して完成させることができた」と指摘、さらに同胞社会の多大な力添えに深く感謝すると述べた。

 上映会の後、多くの感想が寄せられた。その中からいくつかを紹介する。

 ●「同胞らを対象にした上映会は足立が初めてだと聞いた。こうした画期的な催しを実現した女性同盟足立に敬意を表する。この映画を鑑賞して『言葉は民族である』という命題が、3、4世にも脈々と受け継がれていることを実感した。映画を通じて、同胞の構成が複雑ではあっても、朝鮮人として生きようとする意志を抱いて、私たちの組織とウリハッキョ、わが街を誇らしく守ろうとする若者の姿を見て深い感銘を受けた」(50代女性)

 ●「芸術においてはテーマが重要。専門家でもないスタッフによって制作されたこの映画には、笑いがあり、涙があり、とても感動した」(70代男性)

 ●「鄭大世のこと、朝大のことがとてもわかるようになった。この映画で朝大に進学しようという学生が増えるのでは」(40代女性)

 ●「ストーリーに引き込まれた。朝鮮人の仲間の輪が、もっと大きく広がっていって、日本の中でも『光って』いてほしいと思う。メインテーマ曲も美しいメロディーで、映像とマッチしていた。最後の合唱の入った曲もすばらしかった」(50代男性)

 ●「今の日本の複雑な情勢の中で悩み、葛藤しているのは、スクリーンの中の主人公だけではない。朝鮮籍であること…、揺れ動いている人もいると思う。そんな中、若者が正しい答えを探していけるよう、親の世代の私たちがその道標をしっかりと教えていけるようになるといいのだが…」

 ●「学生時代を懐かしく思い出した。朝大のわが卒業生たちが、この映画作りに参加したと思うとなんとも誇らしい。主人公たちの苦悩を通じて、苦難の多かった同胞史をもう一度振り返ってみた」(30代女性)

 ●「そんなに期待しないで観たところ、予想以上の感動を味わった。朝大生たちの現状認識がおそらく投影されたものだと思うが、その努力がよく現れている。よくやったと思う」(50代女性)

 ●「大きな期待をしながら観たが、その期待を裏切らない出来栄え。演技もよく、ストーリー展開にも最後まで惹きつけられた。とくに国籍問題や在日同胞の存在価値など3、4世の視点で描かれているのがよかった。若い世代がもっとこの映画を観て、朝大への固定観念を根本的に覆してほしい」(50代女性)

[朝鮮新報 2009.6.26]