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群馬 北南合作「エンプレス・チョン 王后沈清」特別上映会 ネルソン・シン監督招き

家族で楽しめる民族古典

一人ひとり丁寧にサインや似顔絵をかくシン監督

 北南合作アニメ「エンプレス・チョン 王后沈清」特別上映会が20〜21日、群馬県前橋市のユナイテッド・シネマ前橋で催された。同胞や学生、日本市民ら850人が映画を鑑賞した。

 初日、総監督を務めたネルソン・シンさん(在米同胞)を招いて特別サイン会が開かれた。世界的に有名なアニメーションを手がけてきたシン監督のサインをもらおうと、多くの人が訪れた。

 上映に先立ち、シン監督による舞台あいさつが行われた。

 シン監督は、たくさんの観客が足を運んでくれたことに感謝し、「50年間アニメーションに携わってきた者として、わが民族の誇れる古典作品を海外にどう紹介しようかと幾度も考えた。延べ7年を費やし作った作品は、民族の伝統や文化、風習を散りばめ、みなに楽しんでもらえるように作った」と話した。

 家族と一緒に映画館に訪れた小山末広さん(39)は、前橋市役所に置いてあったチラシを見て映画を観にきたと話しながら、「ストーリーがとても良くできていたと思う。ハラハラするシーンもあり、父のために自ら身を投げる主人公の姿、最後はハッピーエンドで感動した。日本の昔話とは違い、困難に巻き込まれながらも、また立ち上がっていくところが印象的だった。子どもたちも楽しんでいた」と述べた。

 同胞たちは「主人公の親を思う純粋な気持ちに感動した。映像技術も優れていて、見ごたえがあった」「一つのものを北南共同で作ったことに大きな意義があると思う。わが民族の力はすごい」などと感想を語った。

故郷への思い

座談会後の記念撮影

 同日、群馬朝鮮初中級学校でシン監督を囲んだ座談会が開かれた。

 まず、ウリハッキョを初めて訪れたシン監督は、朝鮮語や文字、民族性を守ってきたウリハッキョを称えた。

 そして黄海北道出身の監督は、「故郷を訪ねたい、また北と南が手をつなぎ一つのものを作りたい」という思いから、北南合作で映画を制作しようと思ったとその動機を話した。

 活発な質疑応答が行き交い、同胞たちは意義深いひとときを過ごした。

青商会を中心に

 今回の上映会を企画したのは群馬県青商会。@初の北南合作アニメ映画を多くの人に知らせるA映画を通じ、親子の関係を見つめ直すB朝鮮文化の理解と地域の多文化共生に努めること―を目的に準備に奮闘してきた。

 また、「学校運営の助けになればと、実行委員会を中心に、カンパ集めや観客動員に尽力した」と実行委員長の千尚二群馬県青商会会長はにこやかに語る。そして「同胞や賛同してくれた日本市民の力添えがあり、今回の行事を成功させることができた。民族を大切にするシン監督が実際に学校に足を運び、ウリハッキョを称えてくれたことにとても勇気づけられた」と胸を張った。

 翌日、午前と午後の2回にわたり、舞台あいさつと上映会が行われた。(姜裕香記者)

※映画上映に関する問い合わせは、潟Aジア映像センター(TEL 03・5804・3456)まで。

[朝鮮新報 2009.6.26]