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日朝友好展50周年記念第47回展覧会 絵画、書芸、写真など436作品、2500人のギャラリーで盛況

市民同士が触れ合ってこそ

詩歌「五寸釘のうた」(新井知次)

 日朝友好展50周年記念第47回展覧会(全絹枝実行委員長)が5月25〜31日に神奈川県横浜市民ギャラリーで開かれ、延べ2500人のギャラリーが会場に足を運んだ。

 会場には朝・日の芸術愛好家ら247人による絵画、書芸、工芸・彫刻、詩歌、写真などの作品と神奈川県下の朝鮮学校生徒らが出展した作品など総数436点が展示された。

 同展の半世紀にわたる歴史。62年、71年、72年を除いてさまざまな困難を乗り越えて毎年開催され、両国の人々の友好と国交正常化への願いを刻んできた。

書芸「オモニの情(こころ)」(李裕和)

 今年もお祝いのメッセージを寄せた松沢成文・神奈川県知事は、同展が「わが国と朝鮮との市民同士の文化交流を深める貴重な機会となっていることを大変喜ばしく思う」と指摘したうえで、「昨今、日朝両国は大変厳しい問題に直面しているが、そうした時でこそ、市民同士が直接、互いに文化に触れ合うことは、極めて大きな意味を持つものと思う」と述べた。

 また、写真家で同展運営委員の藤田観龍さんは「川崎に住んで45年になるが、居住地域には1960年代頃、白いチョゴリ姿の在日の女性たちが生活されていたことが鮮明に思い出される」と語り、「日本と朝鮮半島の関わりは、江戸時代の朝鮮通信使の来日をはじめ対等な歴史交流は古く、文化的にも多くの影響を受けてきた」と指摘。しかし、その後の日本の侵略戦争による、朝鮮人民への差別と強制連行など日本の植民地支配の誤りと反省が真になされないまま、朝鮮半島の統一と日朝国交正常化が未だになされていないと述べた。そのうえで、同氏は、昨今の情勢について触れ、「ニュースで北への経済制裁が言われるが、制裁ではなく、話し合いと交渉・協議こそ問題の解決につながると思う」と強調した。

 さらに、同展に詩「五寸釘のうた」を寄せた新井知次さんは、「私は今年74歳になる。私たちの世代は、戦争中、日本が朝鮮に悪いことをしたと誰もが知っている。しかし、今でも、日本の社会には朝鮮人への偏見が根強く残っている。それを取り除くためにもこのような市民レベルの文化交流がうまく機能していけばいいと思う。これから若い世代が互いに歴史を学び、勉強しあって、東アジアの平和の担い手になってほしい」と語った。

 30日には、文化フォーラムが開催され、北南合作アニメ映画「王后シムチョム」が上映され、同展に詰めかけた多くの観客と県下の朝鮮学校の子どもたちが鑑賞した。

 また、同日夕、第47回展記念交流パーティーが開かれ、総連神奈川県本部・鄭喜Q委員長があいさつし、友好展に長い間貢献してきた朝・日関係者の尽力に深い謝意を表した。(文=朴日粉、写真=盧琴順記者)

オモニの情(こころ) 和訳

 貧しさ故に
 涙流しあきらめし進学
 せめて子らは
 三文の
 人間には育てまいと
 夜毎成人学校に通い
 豹・描・秒・錨学びし日々よ
 三つ子の魂
 百までを肝に銘じ
 子の過ち
 喩すにも
 共に食絶ちて
 厳しく教えたり
 国亡き民の
 悲哀くり返すまじ
 豊かな国造りに
 子らを参加せしめんと
 学びの道
 帰国の道へと送らん
 病の身なれど
 会いたし我が子らよ
 鳥になり風になり
 飛んで行きたしと思えども
 あの東海の荒波を
 いかに越え行かん

[朝鮮新報 2009.6.5]