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〈食のはなしA〉 バランスが大切

主食、主菜、副菜を組み合わせて

 私たちの体は、細胞の中にある生命の設計図−DNAの情報に従って作られている。その情報が正確に伝えられると、細胞が正常に構成され代謝が円滑に行われる。

 細胞の構成や代謝は、さまざまな栄養素が必要なため、これらを毎日の食事からバランスよくとり続けることが何よりも大切だ。1つの食品には必要なすべての栄養が入っていないため、様々な食品をバランスよく食べることが不可欠であり、よい成分が含まれているといっても、同じ食品ばかり食べていては逆に病気になってしまう。

 即ち、バランスのいい食事が細胞を元気にし、健康な身体をつくることができるということだ。

 では、バランスのいい食事とはいったいなんだろうか?

 第1のポイントは食品の選択問題だ。「何を」「どれだけ」摂ったらよいかを知るという事である。

 食品には米、肉、魚、卵、野菜、果物等約2000種類あるといわれている。それらの食品を4つの群に大別し理解しやすくしたのが4群点数法だ。

 まず1群(牛乳、卵)、2群(魚、肉、豆)、3群(野菜、果物)、4群(米、パン、油等)に分ける。

 次にこれらの食品をどれだけとればよいのかを点数で表し、一般的なエネルギー(約2000キロカロリー)の8割(1600キロカロリー)を20点とする。

 中でも1〜3群は、栄養の量、質的なバランスを確保し、4群を各自エネルギー所要量に応じて加減する。

 第2に重要なポイントは主食、主菜、副菜をうまく組み合わせる事。主食はご飯、パン、麺類をはじめとする糖質の多い穀類が該当し、中盛りご飯だったら1日4杯程度だ。主菜は肉や魚、卵、豆等たんぱく質の多いもの、副菜は野菜や海藻をはじめとするビタミンやミネラルの多いものを指す。主菜、副菜は1日に各々最低3、5皿程度準備できればいいだろう。

 そのほかに果物や乳製品を1、2点加える事で栄養バランスが一層よくなる。

 これら主食、主菜、副菜、乳製品、果物の5つを1日どれだけ食べたらよいかをイラストで示したものが、2005年に厚労省、農水省共同で作成した「食事バランスガイド」(図2)。これは食品よりも「料理」としてのバランスを重視し、コマの回転が運動、中心が水の摂取を表していることが特徴だ。

 飽食の時代、健康ブームを謳っているせいか、ある特定の食物を食べれば健康になるという単品主義者が結構多いことに驚かせられる。

 ましてや、いろいろな情報が宣伝されると、あれもいいこれもいいとすべてを取り入れ、最終的には肥満につながってしまうということも。しかしながら毎日食品を選び、毎食バランスのいい食事を考えて調理する事は、忙しい現代人にとって意外と大変な事ではないだろうか。

 そこで4群点数法や食事バランスガイドを参考にしながら1日1食、あるいは1週間に1日だけでもバランスのよい食事を取り入れ、無理なく、徐々に食生活の改善を行うことをお勧めする。(金貞淑、朝鮮大学校短期学部准教授、栄養学専攻)

[朝鮮新報 2009.5.29]