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〈民族楽器のルーツをたどる ウリナラの楽器 K〉 建敲、踞虎、晉鼓、雷鼗

音楽の始まりと終わり伝える さまざまな装飾、足元には虎

ロゴ

コンゴ

 80余種類とも言われる民族楽器の中で、打楽器は30余種類と大きな比重を占めている。打楽器は、古くから人々が手にし、心を表現してきた楽器である。世界の民族音楽はじめ、様々な音楽の発展と共に、時代を表す音楽に活力を与えてきた。

 西洋と東洋とでは、形こそ違えど戦争の時には自軍の統率をとるためや軍楽隊として出陣し、兵士たちの士気を上げたり、情報伝達などにも欠かせない楽器として登場している。一方、平和のシンボルとしての存在も大きい。

 そんな中、前回に続き、わが国の太鼓について紹介したいと思う。

 コンゴは、朝鮮初期以後、朝会・宴会時に使われた打楽器の一つで、高さ4.15メートル、直径1.6メートル、長さ1.49メートルで最も大きくて派手だ。音楽の始まりと合奏の終わりに叩く。

 構造は、足の部分に体を小さく丸めた虎が外側に向かって、十字に置かれ(踞虎)、その中心に朱柱を立て上に長い太鼓を横向きに置いた。太鼓の大きさは、直径1.2メートル、筒の長さ1.6メートル。内側・外側ともに赤い牡丹の花びらを描いて豪華に飾った。

ルェド

チンゴ

 太鼓の上には木で作った四角い2階建ての方蓋が乗り、その四隅に赤と黄色の象毛を付け、五色流蘇をぶら下げている龍頭竿もしくは龍竿を長く垂らした。

 方蓋のてっぺんには、踊るように飛ぶシラサギが蓮の花の上に彫刻されている。

 わが国では世宗の時に明国から受け入れたとされているが、その後1430年代に音楽家のパク・ヨンによって作られたとも言われている。

 ロゴは、文廟、聖廟または宗廟(歴代の王の位牌を奉る王室の霊廟)の祭礼の時に使われた。

 筒が長い太鼓を二つ、十字型に積み重ねて、枠組みにぶら下げた。筒は赤色に塗り、太鼓を叩く時にはチンゴと対を成して打つ。

 太鼓の枠組みの上には月形を刻み白く塗り、左右に竜の頭を描いて、流蘇を長く伸ばした。

 支えとなる一番下の部分には、コンゴ同様に体を小さく丸めた虎を十字に置いた。

宗廟祭禮楽

 チンゴは、主に国の祭事の時に使った大型の太鼓である。

 面の直径は約105センチ、筒の長さは150センチ。

 太鼓の中で最も大きく筒の周は赤く塗られている。筒に絵はない。

 1116(睿宗11)年宋国から立鼓とともに輸入された。

 ルェドは、雅楽に使われる太鼓で六面太鼓の一つだ。霊鼓、ロゴの系列の打楽器である。

 ルェドとともに風雲雷雨祭・山川城隍祭などの祭礼儀式で軒架に編成される楽器で、音楽開始前に3度揺さぶって音を鳴らす。

 ルェドは、小さい太鼓三つを長い木の棒に交差させてさし、前述の太鼓同様、十字の虎の台で支えた。

 太鼓の両側には皮の紐がついており、太鼓を支える棒を横にして振れば、皮紐が面に触れて音がでる。これに続けて前回紹介したチュクを三回打ち、チンゴを一回打つことを1セットに、それを三回繰り返した後、合奏が始まる。(康明姫・民族音楽資料室)

 メモ‥軒架

 宮中の儀式音楽と祭礼音楽演奏時の楽器配置で、石段の下の堂下に位置する楽隊を言う。雅楽がわが国に入ってきた後、この楽器配置法が使われてきた。その後、楽器編成規模に多くの変化が現れた。

[朝鮮新報 2009.5.9]