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4.24テーマに演劇「約束」 大阪朝高3年の女子生徒ら

4校で770人以上が観劇
 

演劇「約束」の一場面

 昨年度は朝鮮民主主義人民共和国創建60周年、4.24教育闘争60周年の意義深い年だった。

 4月27日に神戸で開かれた4.24教育闘争60周年記念「兵庫民族教育フォーラム」での上演を皮切りに、大阪朝高3年の女子生徒12人が4.24教育闘争をテーマにした演劇「約束」を、昨年5月から今年3月まで約1年間にわたり、同校を含む学区内4つの朝鮮初中級学校で巡演した。

 演劇「約束」を観覧したのは、5月21日に大阪朝高の約440人、7月22日に北大阪中級の約60人、1月15日に東大阪中級の約240人、そして朝高卒業式後の今月7日、和歌山初中の30人の生徒・教員らで、各々舞台に大きな拍手を送っていた。

 出演者10人、音響2人で構成された「朝高演劇団」。

 約10カ月の間に、770人もの観客を前に上演することはたやすいことではなかった。

 朝高では文化会館の大きなステージに立つとあって、発声練習の強化とマイク位置の工夫に苦労した。7月の北大阪中級公演では気温35度以上の猛暑の中、滝のように流れる汗を全身にかきながらの上演だった。1月の東大阪中級公演は出演者2人の受験と重なってしまったため、音響担当者らが代理出演も引き受けた。最後の和歌山初中公演では、移動が不便で悩んでいたところ、朝高サッカー部のバスを借りることができたばかりか、サッカー部のコーチが進んで運転を買って出てくれた。

出演者たちと一緒に

 和歌山初中からは、次のような感想文が寄せられた。

 「演劇を見てもう一度、学校を愛するということがどういうことなのか、よく考えなければならないと感じた。そして、2度とこのような事が起きないよう、私たちがウリハッキョ、そして祖国を守って行かなければならないと思った。朝高のオンニ(お姉さん)たちが一生懸命練習して和歌山まで来てくれたのは、それ程オンニたちが祖国や学校を大切に思い、学校を守りたいと心から願っているからだ。これまで『4.24教育闘争』の学習をするたびに、いつも『かわいそう』としか考えてこなかった。演劇を見て、命がけで学校を守る心を私も持ちたいと思うようになった」(姜希実さん、初5) 

 1日、朝高を卒業した12人の団員たちは、新たに朝鮮大学校、日本の大学、看護学校、朝鮮歌舞団などに進んでいく。

 主役を務めた梁仁実さんは、「演劇は終わったけど、私はこれから朝鮮大学校でしっかり学んで『時代の主人公』としての役割を果たせるよう準備していきたい」と決意を語った。

 また、他の生徒たちも「演劇と出会えて本当に良かった。朝鮮人として堂々と生き、4.24の精神を受け継いでいきたい」と語った。(朝青大阪朝高委員会)

※演劇のあらすじ

 主人公キョンスギは日本の高校へ進学を希望する中級部3年生。ビデオ学習にも興味を示さず、教室に一人残って居眠りをしていたところ、60年前にタイムスリップ、1948年の学生たちと出会う。彼らは学校を守るため必死に闘っていた。キョンスギは、この闘いで1人の学生が犠牲になることを歴史の授業で学んだと思い出す。学生は、キョンスギに「チョゴリを着て学校に通う君たちが本当にうらやましい」と言い残して教室を去った。学生の死を通して60年前のキョンスギは「約束」を胸に生きることを決意する。

[朝鮮新報 2009.3.27]