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くらしの周辺−変わらぬ「アジア蔑視」

 最近、日本人の友人が私にこう嘆いた。「マスコミの反朝鮮報道は常軌を逸している。朝鮮政府や朝鮮民族をあまりにもバカにしすぎている。見方を変えれば自分たちと価値観が違い、立場が弱いからということでイジメをしているようなものだ。こんな大人をみていては子どもたちが健全に育たない。自分の子どもに正しい歴史観を身につけさせるのが、本当に難しい社会になっている」。

 彼は私と同じく40代半ばである。

 私は彼の話を聞いて、昨年6月、山口県下関市嶋倉剛教育長が、学校への教育補助金増額を求めて訪ねてきた山口朝鮮学校代表らに「植民地支配は歴史的事実に反する」などの暴言を吐いたことを思いだした。市教育長という責任ある立場の人間が、このような歴史観をもって日本の教育を指導している…。

 この教育長もまた40代半ばだそうである。

 これから成長してゆく日本の若者が、もっとひどい歴史観しかもつことができなくなるのは必然的だろう。私自身、幼少期の息子2人を育てる一人の親として、このような環境の日本で、子どもを「まっすぐに」「まっとうに」育てることの難しさを痛感している。

 テレビなどで朝鮮の報道が流れたら子どもたちに、現在も続く朝鮮バッシングの本質をくだいて説明するなどといった努力を、日々惜しまないようにしている。

 時たま放映される、日本対諸外国のスポーツ中継などを観戦しながら、当然のように日本ではなく外国のチームを応援する私を、最近では息子たちも自然体で受け入れられるようになったようだ。(呂世珍・団体職員)

[朝鮮新報 2009.3.13]