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「植民地朝鮮と児童文化」出版祝賀会 「東アジアの児童文学紹介したい」

お祝いの花束が贈られた

 南朝鮮の絵本の翻訳などで知られる大竹聖美さん(東京純心女子大学こども文化学科准教授)の新著、「植民地朝鮮と児童文化」(社会評論社)の出版を祝う会が2月28日、東京・目白の日立目白クラブで開かれた。

 同書は、著者のソウル留学時、延世大学校大学院教育学科博士課程で朝鮮語の博士論文にまとめた研究内容をもとに日本語で整理しなおしたもので、1895年から1945年までの約50年間にわたる近代朝・日両国の児童文化、文学における相互関係を見渡し、その全体像について書かれている。

 著者と朝鮮児童文学との出会いは小学校高学年の頃、図書館で偶然「朝鮮民話集」を見つけたことだった。当時は「素直に楽しみ、好きだと思った」。

 その後、李相琴氏(元梨花女子大学教授)の自伝「半分のふるさと−私が日本にいたときのこと」(福音館書店)と触れたことが留学のきっかけとなり、近代日本児童文学と朝鮮の関係、さらには朝鮮やアジアの児童文学に関心を持つようになった。
 

大竹聖美さん

 出版を祝う会には、児童文化研究家の上笙一郎さん、児童文学研究家の長谷川潮さん、絵本作家の田畑精一さん、田島征三さん、東京大学東洋文化研究所准教授の真鍋祐子さんら、児童文学・絵本、出版、朝鮮問題関係者ほか、家族や同級生など35人が参加した。

 大竹さんは、「(既刊の)台湾、朝鮮につぎ、今後は中国東北地方(旧満州)における児童文化についても研究したい」と意欲を示し、「過去の植民地時代を乗り越える仕事をやっていきたい」と語った。

 そして、「これからも絵本の翻訳出版もしていきたい。翻訳も好きだが、アジアの作家や画家、出版社の人たちと関わるのはもっと好き」と笑顔で話した。(金潤順記者)

[朝鮮新報 2009.3.6]