伝統受け継ぐ担い手に |
女子U−17代表キャプテン ぺ・ヨンヒさん 好奇心旺盛で多感な年頃の少女たちが、ひたむきにサッカーボールを追い駆ける。まだまだあどけない顔は、サッカーボールの5号球よりも小さい。身を包むジャージはちょっとサイズが大きめで、手の甲が半分ほど袖に隠れている。 そんな少女たちが17歳以下の世界大会で初代女王に輝いた。チームの主将を務めるのも、もちろん16歳の少女。寒空の下、頬を赤らめながら恥かしそうに取材に応じる表情は、10代そのものだ。照れるたびにうつむく仕草が愛くるしい。 優勝の要因を聞くと、試合を見ればわかるだろうといった素振りで、「絶対に勝つという気持ちが大切。とにかく、負けるのがイヤ」ときっぱり。 本格的にボールを蹴り始めたのは12歳から。世界の舞台で活躍する先輩たちの勇姿に憧れた。たとえばそれは誰?と尋ねると「多すぎて挙げられない。なにしろ、みんな上手な選手ばかりで。早くあのレベルに達したい」と意気込む。 休日を返上して自主トレに励むこともしばしば。責任感が強く、これからも主将を続けていきたいと語る。監督も全幅の信頼を寄せている。 初優勝の吉報を在日同胞も喜んだと伝えると、うれしそうにしながら「でも、まだまだ。全カテゴリーで優勝して、もっともっと明るい話題を提供できるようにしたい」と力を込めた。 目標は、リ・クムスク選手のように、現役選手でいる間ずっと国家代表に選出されることだ。自信のほどを尋ねると、少しはにかみながら、「うーん、あるにはあるけど…でも先の話はちょっとまだ…」。 サッカー人生は、始まったばかり。もっとも、世界が彼女の名を知る日は、そんなに遠くないかもしれないが。(健) [朝鮮新報 2009.1.5] |