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統一運動 さらなるステップアップ、6.15宣言10周年に向けて

 6.15北南共同宣言が発表されてから来年で10年を迎える。北と南、海外3者の統一運動常設組織である6.15共同宣言実践民族共同委員会(6.15民族共同委員会)は13、14の両日、中国・瀋陽で会議を開き、今年の活動を総括。宣言発表10周年という節目を迎える来年に、統一運動で今一度飛躍を起こそうと呼びかけた。

困難に直面

 北、南、海外の3者による統一運動は今年、かつてない試練に直面した。

 瀋陽での会議では、統一運動をめぐる今年の情勢について、「複雑で多難」(北側委員会)などと一様に厳しい認識が示された。

 北側委員会の安京浩委員長は、「今年のように北南関係が最悪の状態に至り、祖国統一の前途に大きな難関と障害が横たわった時はなかった」と危機感をあらわにした。

 昨年2月の李明博政権発足後、北南関係は悪化の一途をたどった。今年上半期まで対立は最高潮に達したが、8月以降、北側が講じた一連の積極的な措置によって改善の流れが生まれた。金正日総書記と現代グループ会長との会見が行われ、金剛山と開城観光の再開などが合意された。同会見での合意に基づいて、9月末からは金剛山で離散家族・親せきの面会が2年ぶりに実施された。また、北側は金大中元大統領の死去にともない特使弔問団をソウルに派遣した。

 しかし、関係改善に向けた流れは定着していない。

 李明博政権は北南共同宣言の履行に基づく当局間関係の改善に積極的に取り組んでおらず、民間レベルでも接触と往来、協力事業が遮断され、南朝鮮内部では統一運動団体に対する弾圧が続いている。

 このような厳しい状況の中でも、各地域では討論会やシンポジウムなどの学術行事、大衆集会、抗議行動、交流・協力事業などの活動を粘り強く進めた。とくに、海外側委員会は「6.15、10.4宣言履行のための運動期間」(6月15日〜10月4日)に地域ごとの特色を生かした活動を繰り広げ、10月16日には東京で海外同胞大会を開いた。この間、在日同胞の呼びかけで行われた「統一旗連署運動」(615枚の旗に名前とメッセージを書き込み、北と南に送る運動)は世界各地の同胞の支持を受け、3万人を超える署名を集めた。

2010年の意味

 来年は6.15共同宣言の発表10周年、6.15民族共同委員会の結成5周年を迎える。

 瀋陽会議でも2010年が持つ重要性が強調された。

 同会議では、宣言発表10周年に際して北、南、海外3者の合同行事を行うことが決まった。昨年6月の共同宣言発表8周年記念民族統一大会(金剛山)以来、大規模な合同行事は開かれていない。関係者らは2年ぶりの行事を必ず実現させようと意気込んでいる。

 分野別の交流事業も計画されている。

 南朝鮮の全国民主労働組合総連盟(民主労総)と韓国労働組合総連盟(韓国労総)が明らかにしたところによると、両労組と北側の朝鮮職業総同盟(職総)は来年、メーデー110周年の記念行事を合同で催すことで見解の一致を見た。

 瀋陽での会議では、北南関係の改善、接触と対話、協力事業の活性化、民間交流の促進、6.15民族共同委員会内部の団結強化などが運動の課題として提起された。これらの課題の実践において、李明博政権の反北、反統一政策の転換がカギとなることについても見解が一致した。朝鮮半島情勢が大きく変化している今、共同宣言履行に基づき統一運動で新たな局面を切り開く好機が訪れつつある。(李相英記者)

[朝鮮新報 2009.12.23]