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米特別代表が訪朝 朝米直接会談 平和協定、関係正常化など議論

 オバマ政権発足後、初となる朝米間の公式会談が実現した。米国のスティーブン・ボズワース朝鮮政策特別代表が8日から10日にかけて朝鮮を訪問し、金桂官外務次官と会談を行った。また、姜錫柱第1外務次官が米特別代表一行と面会した。

 今年に入り、国連安全保障理事会による制裁発動で対立が激化した朝米関係は、8月の金正日総書記とクリントン元米大統領との会見を機に対話の局面に入った。双方は懸案問題を対話の方法で解決することで見解の一致を見た。ボズワース特別代表の訪朝はこの合意の延長線上にある。オバマ大統領は今回、同氏を自らの特使という資格で平壌に派遣した。

「共通認識に達した」

8日、平壌空港に到着し、朝鮮外務省の鄭泰洋副局長と握手を交わすボスワース特別代表 [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 朝鮮外務省スポークスマンは11日、朝鮮中央通信社記者の質問に答え、ボズワース特別代表一行の訪朝の結果について明らかにした。

 同スポークスマンは、米特別代表の訪朝期間、朝米間で懸案問題が議論され、両者が「一連の共通認識」に達したと述べた。

 また、平和協定締結と関係正常化、経済およびエネルギー協力、朝鮮半島非核化など幅広い問題を長時間にわたって真しかつ虚心坦懐に議論したと明らかにした。

 同スポークスマンは、朝米双方が「実務的で率直な話し合いを通じて相互理解を深め、互いの見解上の差を狭めて共通点も少なからず見出した」と指摘。「6者会談再開の必要性と9.19共同声明履行の重要性に関しても一連の共通認識が生まれた」とも述べた。

 そのうえでスポークスマンは、「朝米双方は残された相違点をすべて狭めるために、今後も引き続き協力していくことにした」と述べた。

 ボズワース特別代表一行は8日、南朝鮮ソウル近郊の烏山米空軍基地から特別機で平壌空港に到着した。

 空港では朝鮮外務省の鄭泰洋副局長をはじめとする関係者が一行を出迎えた。

 2泊3日の平壌訪問を終えたボズワース特別代表は10日、ソウルで記者会見を行った。

 会見で同氏は、今回の訪朝を「とても有益だった」と評価し、朝鮮側と「率直で真しな意見交換ができた」と述べた。

 また、「6者会談再開」と「9.19共同声明履行」に関して、朝鮮側と「一定の共通理解に達した」ことを明らかにした。

 同氏は朝鮮側に「9.19共同声明の『すべての要素』を完全に履行する意志」を伝えたと述べ、「すべての要素」には「非核化、平和体制、6者会談当事国間の関係正常化、経済支援がすべて含まれる」とした。

 オバマ大統領の「親書」の有無に関しては、「自分自身がメッセージ」だと答え、明言を避けた。

 一方で、朝鮮側が「いつ、どのように6者会談に復帰するかは、時間をかけて見なければならない」とし、「他の会談参加国との追加協議が必要」だと述べた。

 ボズワース特別代表はソウル到着後、米本国に電話で朝鮮側との協議結果を報告。その後、南朝鮮の6者会談首席代表である魏聖洛・朝鮮半島平和交渉本部長らと会った。

 また、南朝鮮訪問を皮切りに、11日から13日まで6者会談参加国の中国、日本、ロシアを相次いで訪れ、関係者と協議を行った。

「非常に建設的」

 クリントン米国務長官は10日、平壌での朝米会談に関して、双方が互いに意見を出し合ったとして「予備的な協議としては非常に建設的」だったと総括した。

 また、米国務省のケリー報道官は11日、今後の対応について、「6者会談のパートナーと引き続き接触を行う」とし、朝鮮側とも接触を続けていく意向を明らかにした。

 一方、朝米以外の6者会談参加国も今回の朝米会談の結果に歓迎の意を表している。

 ロシア外務省のネステレンコ報道官は、「ロシアは朝鮮半島核問題に対するどのような形式の接触も歓迎する」とし、「朝米双方が今回、実務的な対話を行ったことに満足している」と述べた。

 またインタファックス通信も、同国外務省の消息筋が「ロシアは朝米間の2国間対話を支持し、可能なすべての方法で対話に寄与する準備ができている」と述べたことを伝えた。

 中国外務省の姜瑜報道官も10日、「関係各国は朝鮮半島の緊張緩和の機会を適切に捉えるべきだ」と述べた。

[朝鮮新報 2009.12.14]