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日朝国交正常化連絡会 日本外務省に要請 「対朝鮮政策で新たな転換を」

 日朝国交正常化連絡会の代表が1日、外務省を訪れ、日本政府に対して対朝鮮政策の推進において新たな決断を下し、朝・日平壌宣言に基づいた国交正常化の実現に誠実に取り組むよう求めた。

 同連絡会の共同代表である清水澄子(朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会代表)、福山真劫(フォーラム平和・人権・環境代表)、石坂浩一(立教大学准教授)の各氏と五十川孝事務局次長が北東アジア課の担当者と会い、岡田克也大臣あての要請文を手渡した。

日本外務省を訪れ、朝・日関係改善に向けた提案と要請を行う連絡会の代表

 連絡会の代表らは席上、平壌宣言の発表から7年が過ぎたにもかかわらず、朝鮮との国交正常化交渉がまったく前進していない現状に憂慮を示した。さらに、過去の自民党政権が圧力で朝鮮を屈服させようとする政策をとったために、問題解決の道が閉ざされてしまったとし、人的・物的往来のストップなど国家間接触の断絶がもたらしている弊害について述べた。

 また最近、朝米、北南関係など朝鮮半島情勢で新たな局面が開かれていることに触れ、民主党を中心とする新政権が朝鮮との交渉に積極的に取り組み、東北アジアの平和の枠組み作りに貢献すべきだと強調した。

 そのうえで、日本政府に対して、▼拉致問題の解決を国交正常化の前提条件とする自民党政権の政策を転換し、正常化の過程で拉致問題の解決を図るという平壌宣言の原則に立ち返ること、▼対話再開の糸口として、昨年6月の政府間実務会談で合意した、拉致再調査と制裁の部分解除の同時履行を実行に移すこと、▼核問題解決に向けて役割を果たすとともに、6者会談を再開させ非核と平和共存の枠組みを作り、東北アジア非核地帯化を目指すことなどを求めた。

 連絡会側はとくに、平壌宣言に立脚し国交正常化交渉を再開させる必要性を強調。交渉の主題は国交樹立のための日朝基本条約になるべきだと主張した。これと関連し、日本側が来年の「韓日合併」100年という機会を逃さず、植民地支配に対する謝罪と反省の立場を政府レベルであらためて明確に示すべきだと提案した。

 また、対朝鮮人道支援を再開すること、在日朝鮮人に対する「法の厳格適用」という名のハラスメントを中止し、彼らの人権保障に向けた措置を講じることなども要請した。

 一方、応対した外務省の担当者は、「平壌宣言にのっとり、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を図っていく」という日本政府の方針に変わりはないと述べた。「国交正常化の必要性については共感する」としながらも、朝鮮側の合意履行が交渉再開の前提だという立場に変化は見られず、日本側の具体的な行動や関係改善に向けた今後の道筋を示すことはなかった。

 これに対して連絡会側は、現在の当局の対応は情勢の様子見にとどまっているとし、新政権は具体的なロードマップを提示するなど関係改善に向けた熱意を見せる必要があると指摘した。

[朝鮮新報 2009.12.7]