top_rogo.gif (16396 bytes)

〈論調〉 「米MD樹立は戦争危険増大」

 米国が「ミサイル脅威」をうんぬんしてMDシステム樹立の必要性を強調するのは、言語道断である。

 米国が「ミサイル脅威」説を広める基本目的は、「脅威」を口実にMDシステムの樹立に拍車をかけることにより、潜在的なライバルをけん制し、世界的規模で軍事的覇権を引き続き維持、強化するところにある。

 米国が提唱するMDシステムの樹立とは、地球上に迎撃ミサイル網を形成して「敵」の「ミサイル攻撃」から米国と同盟国を「保護」するというものである。しかし、本質はMDシステムの樹立を通じて絶対的な軍事的優位を確立して力で自分たちの気に障る国を制圧し、世界を征服、支配するためのものである。

 ブッシュ政府時代にそれまで戦略的安定の礎、戦略攻撃兵器削減の基礎となっていた弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を一方的に破棄した米国は、「保護」や「安保」の美名の下に何としてもMDシステムを樹立するため執拗に策動してきた。

 米国が2002年以来、現在までMDシステムの開発にばく大な資金を支出して今後5年間に500億ドルを追加支出することを計画している事実は、彼らのミサイルヒステリーが頂点に達していることを証明している。

 米国は、侵略的な世界制覇戦略の命運をMDシステムの樹立にかけて東北アジアと東欧をはじめとする世界のすべての地域を自分らのミサイル網で覆おうとしている。

 現在のように米国のMDシステムの樹立が推し進められれば、世界の平和と安全が由々しく脅かされて破壊され、戦争の危険が増大するのは明白である。

 米国は現実を冷静に判断し、世界の戦略的安定を破壊して新たな軍備競争、核戦争をもたらす時代錯誤のMDシステムの樹立策動を直ちにやめるべきである。(民主朝鮮11月24日付論評)

[朝鮮新報 2009.12.2]