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朝鮮で語学学習奨励 「外国語を学び最先端科学技術を」

人気は英語と中国語

 今年、創立60周年を迎えた平壌外国語大学が2012年にすべての講義を外国語で行うことを目指している。一方、国内のすべての小学校では昨年から英語科目が導入された。現在、朝鮮では経済復興に向けた科学技術を重視する政策がとられており、その流れに沿って外国語を専攻する学生が急増しているという。海外の先端技術を学ぶためだ。朝鮮の外国語教育の現状について見た。

教材は会話中心

昨年から全国の小学校に導入された英語科目

 2008年9月から、朝鮮各地の小学校の授業科目に英語が導入された。対象は3年生(9歳)からとなっている。

 3年生ではアルファベットの習得にはじまり、単語学習やあいさつなどの英会話を学び、4年生では聞き取りと会話、読み、書きなど総合的な基礎英語の授業が行われる。

 「外国語を習得するためには幼少期に開始するのが理想的だ。小学校での基礎教育導入によって、今後、朝鮮の外国語水準は大きく向上していくだろう」と平壌市外国語学院のソ・オクシル院長は話す。

 中学校レベルでは、平壌市と各道所在地に外国語学院がある。

 ここでは一般中学校と同様の教育内容に加え、より専門的な外国語教育が実施されている。

 朝鮮初の外国語学院が平壌に設立されたのは50年代のこと。11年制の教育カリキュラムの中で英語とロシア語をはじめ、中国語、ドイツ語、フランス語、アラビア語、日本語などの教育が行われた。地方では65年に平安北道と咸鏡南道に学院が設立され、各道もそれに続いた。

 ソ院長によると、最近、同校をはじめ一般中学校の英語教材の内容が改編された。文法中心から会話中心に変わったのだ。

人民大学習堂の外国語講習所での講義

 ソ院長は、「外国語の習得そのもの以外に重要なのは、外国語を手段にして最先端の科学技術を学ぶことだ。わが学院では今後、研究を重ねた新教材を活用して教育の質を高めていく方針だ」と強調した。

 一方、49年11月に外国語教育を専門とする朝鮮最初の大学として創設された平壌外国語大学では、12年に専攻科目をはじめ一般科目、基礎科目にいたる全講座を、すべて外国語による講義へと転換する。また、来年度からは全国を対象に光ファイバーなどの通信網を利用した遠隔教育を実施する。

 同大のパク・ソンジン学長によると、これらの施策は外国語自体の習得とともに幅広い知識を兼ね備えた専門家をより多く育成することを目的としている。

社会人向け講習所

 朝鮮での外国語学習は学生に限らず社会人の間でも熱を帯びており、外国語講習所がにぎわいを見せている。

 講習所は、社会人を対象に外国語教育を行う機関で、平壌外国語大学、人民大学習堂など平壌市内に数カ所ある。

 82年に講習所を開講した人民大学習堂では現在、英語、ロシア語、中国語、ドイツ語、日本語などの講座が行われている。

 職員のオ・ヨンイルさんによると、人気のある言語は英語と中国語で、会期ごとにクラスを増設しているほどだ。一方、日本語は一時に比べて受講生が減ったという。

 講座期間は4カ月で、1〜5月と7〜11月の年2回。昼コースと夜間コースがある。

 仕事上のスキルアップや趣味の学習など受講者の動機もさまざま。

 マスコミ関係で働くチョン・ソンヘさん(26)は現在、英語の講座を受講している。以前は中国語講座を受講した。「講師のレベルの高さが魅力。資料収集や翻訳など仕事で非常に役立っている」と話す。

 オさんによると、同講習所での受講を希望する声が高まっていることから、今後、電子図書館を拠点とした遠隔講義を計画している。(呉陽希記者)

[朝鮮新報 2009.12.2]