〈今月の金正日総書記−10月−〉 経済に重点 精力的な活動続く |
10月に伝えられた金正日総書記の公開活動は28回(祝電含む)。軍部隊視察の報道がなく、経済視察が14回と半数を占めた。一方、温家宝・中国首相の訪朝の際には直接空港で出迎え、会見や晩さん会、公演鑑賞など一連の行事をともにした。
相次ぐ経済視察
総書記は平安北道を訪れた際、CNC(コンピューター数値制御)を導入した鴨緑江計器総合工場、水豊ベアリング工場、10月10日工場、鴨緑江日用品工場の各所を視察し、技術装備の状態と生産の状況を見てまわった。各工場に並んだ各種のCNC工作機械や加工品を見て、生産工程の現代化、科学化により製品生産で新たな転換が遂げられていることに大きな満足の意を表した。 労働新聞8月11日付は、朝鮮機械工業のCNC分野が世界的な水準に達したとする政論を掲載した。現在、朝鮮の重工業を担う主要工場、企業所は古い生産ラインからCNCによる生産ラインへの移行に力を注いでいる。老朽化した設備の現代化は、「強盛大国の大門を開く」とした2012年に過去の最高生産実績を突破するためのカギのひとつになる。 総書記は、生産設備の現代化を大胆に推進し、国際環境の影響を受けることなく、国内の資源と技術で生産を拡大するシステムを構築しなければならないと述べ、そのための方向性と課題を示した。 一方、総書記は新たに整備された妙香山遊園地を現地指導した。数時間にわたって下毘盧の入り口から万瀑洞にいたる長区間の参観コースをたどりながら、遊園地の建設状況をつぶさに確かめた。 海抜1909メートルの妙香山は奇妙な形をした峰や豊かな自然が絶景とされているが、山道は険しく岩も多いためこれまで登山コースは限られていた。 総書記は、美しい自然と調和した参観コースや、ユニークに建設された立体橋と休憩所を見てまわった。 11月5日付の労働新聞政論によると、この参観コースは平安北道民が6カ月半で完成させた。同紙は、総書記が81年に妙香山を初めて現地指導したことに触れ、その時の指導内容と今回の訪問を結びつけ、その意義を強調した。 「最高の特別感謝」 総書記は、朝鮮労働党創建64周年に際して行われた銀河水管弦楽団、万寿台芸術団、三池淵楽団の公演成果を高く評価し、朝鮮労働党総書記、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長、朝鮮人民軍最高司令官の名義で「最高の特別感謝」を送った。 また、平壌市郊外にあるダチョウ牧場にも同様の名義で「最高の特別感謝」を送った。 総書記は現地指導の際、国の発展に貢献する特出した成果をあげた単位に対して「感謝」を贈っているが、今回のような「最高の特別感謝」が贈られるのは異例のこと。 銀河水管弦楽団、万寿台芸術団、三池淵楽団の合同公演に関しては労働新聞11月2日付が長文の解説記事を掲載している。それによると、公演は慣例の慶祝公演ではなく、演奏表現、編曲など音楽の幅と深み、バリエーションのレベルがこれまでにない高いものだとしながら、朝鮮音楽の発展方向を見出しその基準となったと意義づけた。 さらに、公演を通じて明白になったのは、朝鮮が目指す音楽が西側式の「現代音楽」や「世界的な流行音楽」ではなく、「朝鮮式音楽」であることだと付け加えた。 温家宝首相と会見 朝鮮労働党中央委員会と朝鮮政府の招きにより、中国の温家宝首相が4〜6日、朝鮮を公式親善訪問した。 金正日総書記は5日、温首相の宿舎を訪問し会見を行った。総書記は、温首相と朝中親善のさらなる強化と、相互の関心事である一連の問題について真しに話し合った。 総書記は、朝鮮半島の非核化問題に関して、朝鮮半島非核化は金日成主席の遺訓であると強調。そして、朝米2国間会談を通じて両国間の敵対関係を必ず平和的な関係に転換するべきであると述べた。 また、朝米会談の結果を見たうえで多国間会談を行う用意を表明し、多国間会談には6者会談も含まれると述べた。 一方、胡錦濤・中国国家主席は28日、中国を訪問した崔泰福書記を団長とする朝鮮労働党代表団と会見した。胡主席は、温首相の訪朝後に行われた朝鮮労働党代表団の訪中は、金正日総書記と朝鮮労働党、政府が中朝両国の関係発展を高度に重視していることを示していると述べた。 胡主席は席上、総書記の訪中を招請した。総書記は胡主席の招請によって2006年1月10日から18日まで中国を非公式訪問している。(呉陽希記者) [朝鮮新報 2009.11.11] |