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2年ぶり離散家族・親戚の面会 金剛山で196家族が再会果たす

 【高城発=文・姜イルク、写真・盧琴順記者】北と南の離散家族・親せきらの面会が9月26日から10月1日まで金剛山で行われた。26日から28日まで南側の97家族が北側に住む家族228人と面会。続けて29日から10月1日まで、北側の99家族が南側の450人と会った(後に、一組の家族の面会が親族ではない別人と組まれる手違いがあったことが判明)。

喜びの涙と笑顔

約半世紀ぶりに南に住むおじと再会した北側のチェ・ファオクさん(左)

 離散家族・親せきの面会が行われたのは2007年10月以来、約2年ぶり。

 2000年の6.15共同宣言で合意された離散家族の再会事業は同年8月の第1回以来、16回にわたって実施されてきた。

 しかし08年2月の李明博政権発足後、北南関係が悪化し、離散家族・親せきの再会をはじめとする人道事業も中断を余儀なくされた。

 今回の再会事業は北側の積極的な姿勢によって実現した。

 8月16日、金正日総書記が平壌訪問中の玄貞恩・南朝鮮現代グループ会長と会見。翌日、北側の朝鮮アジア太平洋平和委員会と現代グループとの共同報道文が発表された。

 報道文には、今年の秋夕に際して金剛山で離散家族・親せきの面会を実施することなど5項目の合意内容が盛り込まれた。

 その後、8月末に開かれた北南赤十字会談で行事の具体的な日程と形式などが話し合われ、合意に至った。

会場には新たに建設された金剛山面会所が使用された

 面会初日の26日、長い間互いの安否も伝えられずに生きてきた離散家族らの感動的な再会の場面が金剛山面会所のいたるところで繰り広げられた。

 黄海北道平山郡に住むソン・オクスンさん(76)は、1947年、何も告げずに平山郡の実家を去った後、長い間消息不明だった兄のインバンさん(86)と62年ぶりに再会した。遠くから目が合った瞬間、互いに気づいた。歩み寄って熱い抱擁を交わした。

 オクスンさんは南に住む兄が自分を探していることを、今回の面会の準備過程を通じて初めて知ったという。オクスンさんは幼かったため、兄のインバンさんと別れた当時をよく憶えていない。以来、兄の消息を一度も聞くことがなく、もう会えないと思っていた。ソンさん兄妹は互いに持参した写真を見ながら、別々に生きてきた60余年の歳月の空白を埋めていた。

 同席したオクスンさんの息子スンファンさん(52)が2人の手をしっかり取り合った。涙はいつのまにか笑いに変わっていた。

 今回の再会行事では、北と南の赤十字団体のトップが双方代表団の団長を務めた。面会場をともに見て回りながら、離散家族の再会を祝福した。

「わが民族同士」

 26日夜、金剛山ホテルで北側主催の歓迎宴が開かれた。

 朝鮮赤十字会の張在彦委員長は演説で、「半世紀以上にわたって北と南に分かれて生きてきた肉親のきずなが再びつながることができたのは、6.15共同宣言の神髄である『わが民族同士』の精神が生きていたから」だと指摘し、「6.15共同宣言と10.4宣言の履行だけが、離散家族がともに暮らす将来を保証できる」と強調した。

 大韓赤十字社の柳宗夏総裁も、「離散家族の苦痛はわが民族全体の痛みであり、これは南と北の赤十字が一致協力して治癒すべき最優先の人道的課題である」「面会が一度きりで終わるのではなく、今後も持続的に行われるよう南北の赤十字関係者がともに努力すべき」と述べた。

 離散家族の面会は2泊3日の期間中、2度の全体面会、ホテルでの個別面会、家族単位での会食、そして最終日の別れの面会という形式で行われた。

[朝鮮新報 2009.10.5]