〈飛躍と前進の「150日」−K〉 交通保安員が見る平壌の風景 |
「経済建設、われわれも貢献を」 【平壌発=金志永記者】7月、平壌の通りに色鮮やかな青いパラソルが出現し、人びとの注目を集めた。夏場の厳しい日差しを受けながら交差点で交通整理を行う女性交通保安員たちの負担を軽減するために導入された。今年の夏、平壌は15年ぶりの猛暑だったが、「例年のような疲れは感じなかった」と交通保安員のソン・ヘヨンさん(25)は話す。大きなパラソルの陰から首都の通りを見渡すと、「150日戦闘」の高揚した雰囲気をじかに感じることができるという。
期待に応える
パラソルは金正日総書記の発起によって設置された。昨夏まで、女性保安員たちは直射日光とアスファルトから照り返す熱気を受けながら交通整理を行っていた。強く照りつける日差しは保安員にとって大敵だ。日焼け止めクリームが彼女たちの必需品だった。また、急な雨の時も、傘を差しながら交通整理はできない。レインコートを着て業務を続けるしかなかった。 パラソルの設置が提起されたのは6月初旬のこと。「150日戦闘」期間、全国津々浦々の工場や企業所を訪ねる最高指導者の目に、足場もないアスファルトの上で交通整理をする彼女たちの姿が留まった。 よりいっそう仕事に打ち込み、総書記の期待に応えたい―ソンさんと同僚たちは決起集会を開いた。「150日戦闘」に法と秩序で維持することによって貢献したいとみなが確認した。 現場の息づかい 「『150日戦闘』に貢献するために、われわれも経済建設の現場に向かう車両の安全運行を保障し、通常より多くの車両をより迅速に案内するという目標を掲げるべきだと思った」(ソンさん) ソンさんの管轄区域は平壌の中心部だ。金日成広場と万寿台の丘周辺の通りには一定区間ごとに指揮所がある。ソンさんは玉流橋交差点に立つ。交通整理をしながら、「150日戦闘」に沸き立つ社会の雰囲気を感じることができるという。 玉流橋交差点から西に少し行くと、万寿台通りの新住宅建設現場がある。2012年を完工目標に定めた平壌市10万世帯住宅建設計画の最初の対象だ。ソンさんは一日に何度も建設現場へ向かうトラックと出くわす。他の車両を止めて、建設現場に向かうトラックを優先的に通すことがいつの間にか日課となった。 ある日、緊急事態が起きた。完工日を早めようと病気の身で作業を続けていたある労働者が現場で倒れた。至急、病院に搬送しなければならないが車がなかった。同僚らが玉流橋交差点に駆けつけ、助けを求めた。女性保安員が道を走る車を止め事情を伝え、建設現場に向かうよう指示した。後日、感謝の気持ちを伝えたいと現場の労働者たちが指揮所を訪ねてきた。 笑顔こぼれる ソンさんの目に映る平壌の風景は以前とは異なる。 市民の出勤時間が繰り上げられた。職場で成果をあげることを呼びかける放送車が通りを走る。「150日戦闘」が始まってから、車の台数もさらに増えた。 交差点の交通整理を信号ではなく人が行う理由についてソンさんは、「走る車を止めることなく、可能なかぎり早く通過させるため」だと説明する。人間のように交通の流れを認識することのできない信号の機械的な指示にしたがうよりも合理的だという。 交通保安員の指揮動作は簡潔だ。「右手をあげて胸の高さに置く」動作は、「先に案内」する車両、すなわち交差点を通過する車両に対する信号を意味する。 交通整理を信号に頼らないため、交差点では人々の視線が交差する。ソンさんも運転席のドライバーと目が合うと、自然と笑みがこぼれる。 パラソルがなかったころ、交通保安員たちは日差しから目を保護するためサングラスをかけていた。サングラスを外すとドライバーの顔がよく見える。道を急ぐドライバーも、交差点で保安員たちと目が合うと自然と笑顔になるという。 [朝鮮新報 2009.9.10] |